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東工取、次期取引システムの検討を開始

再契約か新システム開発か、両方の可能性探る
年内に大枠まとめ、来春にも参加業者に提案を


東京工業品取引所の江崎格社長は4日の定例記者会見で、次期取引システムについて遅くても年内までに取引所内で大枠を固め、来春までに取引参加業者に提案する意向を明らかにした。
現行のシステムはスウェーデンのOMX社による取引及び清算パッケージソフトで、2009年(平成21)5月7日に導入されたもの。これが2014年(平成26)5月にライセンス契約が切れるため、それ以降のシステム対応を検討しているという。

江崎社長によると現行のOMX製システムを再契約して使い続けるか、新たに別のシステムを導入するか両方の可能性を探っているという。
現行のシステムは初期費用が31億4900万円、5年間(2009~2014)の運用費用が56億3800万円で計87億8700万円、さらに稼働から4カ月後(2009年9月)に導入した24時間取引により、年間2億200万円が加算され、この他更新費用も別途発生している。

仮に東工取が新しいシステムを一から検討する場合、恐らく今回と同規模かそれを上回る総額費用が発生するものとみられるが、現行システムを再契約して使用する場合も「初期投資に当る部分はある程度抑えられても運転経費は若干安くなる程度だろう」(江崎社長)との見方をしている。また「バージョンの古いものを使い続けると面倒な点も多い」(同)とセキュリティーなどに関する懸念も示している。

だがこうした費用はすべて取引参加業者である先物会社に定率参加料の形で圧し掛かってくる。これは客からの注文を取引所に繋ぐ際、出来高1枚あたりいくらという取引所の主たる収入源のこと。ちなみに現在金の標準取引は1枚55円となっている。
かつて東工取がNYMEX(ニューヨーク商業取引所)に次いで年間出来高が世界2位だった2000年初頭の頃は、第3四半期時点で目標枚数を達成し、それ以降は年度末まで無料ということもあった。しかし規制強化により出来高が急速に減少していった2005年以降は、目標枚数を達成できずに次年度の定率参加料を値上げするなど先物会社への負担は年々増加してきた。

こうしたことが続いたことで、現在の先物会社の財務状況を考慮すると、新たなシステムを導入した場合どの先物会社も到底これ以上の負担は不可能と言える。東工取は今回のシステムを導入する際「対応できるところからスタートすればいい」という姿勢をとった。
この表現には「ムリをしなくても準備ができた時からでもいい」という建て前的な面と、旧システムや旧ルールでは接続や注文執行ができない以上「間に合わないところは切り捨てる」という本音が秘められている。これには国内取引業者、言い換えればそれまで市場運営の中核であった個人投資家の比率を徐々に減らし、海外の大型プロップハウスや証券会社、当業者を中心とする市場に作り替えたいとする主務省(経産省)の意向が見て取れる。

しかしOMX導入後の現実は先物会社と個人投資家が激減しただけで、主務省や東工取の願う“社会的な信用と厚い資金を合わせ持つ上客”は門前を素通りしていくだけであった。こうなるとOMXの導入自体適切だったのかと考えざるを得ない。
とにかくこの先どっちに転んでも多額の資金が必要という状況が訪れる。これが不可避ならば、なるべく出費を抑えるよう相手先と交渉するか、運用・保守先を含めた内部側の見直しによりコスト抑制を図る等抜本的な対策が必要となる。

もう一つ、他の取引所と共同出資でシステムを導入するというやり方も可能性としてはあるが、これは政府が進める総合取引所の展望が具体化していることが前提条件として必要だ。昨年12月22日に農水省・経産省・金融庁が共同でまとめた総合取に関する中間整理では、2013年(平成25)の実現を目指して速やかに制度政策を実施することとし、そのため関連法案を2012年(平成24)の通常国会に提出する方針で固まっていた。
しかし今年3月11日に発生した東日本大震災により議論そのものがストップする事態となり、総合取検討チームの会合も7月28日の第10回会合を最後に開かれていない上、今後の予定もたっていない。
こうした現実からも、東工取だけで次期システムに対応していかざるを得ないという難しい状況といえそうだ。

東工取がOMXのパッケージソフト導入を正式決定したのは2007年(平成19)12月19日の理事会で、本格稼働のおよそ1年5カ月前である。その際同時に運用・保守をNTTデータに一括発注することも決められた。導入に関するタイムスケジュールの再検証は別の機会に行うことにする。

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