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商品先物取引の誕生(大坂堂島編)

日本の先物取引のはじまり
商品先物取引は1730年(享保15年)、大坂堂島で誕生した。

時は江戸時代、当時はコメのやり取りで経済が成り立っていたコメ本位制であり、大名の収入も領内で採れるコメの数量で表し家臣の武士も基本的にコメで給与が払われていた。大名は米納の年貢のうち自分で消費する分と家臣達への給与分を除いた残りを販売し、藩財政に充てていた。

コメの販売において各地の大名は、大量かつ安定的に販売できる大坂にコメを運び、保管場所として蔵屋敷を建て管理・販売を行った。当時、大坂には全国から2百万石ものコメが運ばれてきた。
販売は各藩が許可した問屋による指名入札制で、落札すると3分の1の敷銀(手付金)を掛屋(両替商)に払い、銀切手(米手形)を受け取った後30日以内に残金をそえて町人蔵元(米屋)に届けると米切手が渡され、最後に米切手を蔵屋敷に持参して額面どおりのコメを受け取るという流れになっていた。

当初は米切手と実物米を交換した後、市中で売買していたが、米俵は重くて壊れやすく、かさばるために切手のままで取引するほうが便利だということになり、蔵屋敷に近い北浜の表通りにはコメ商人が集まり次第に取引が活発化したことから、「淀屋米市」と呼ばれるようになった。

この時代、コメ商人たちの最大の悩みは米価の変動であった。仕入れ前にコメの値段が上がると利益が減少するし、逆に安いと思って買った値段からさらにコメが値下がりしていけば、それも商人にとっては損になる。上方商人たちはそうした悩みを解決するため「つめかえし」と呼ばれる保険つなぎの手法を編み出した。

これは例えば米価(例:仕入値段=1万9000円、市中価格2万円)が暴落しそうな展開になったとき、コメ商人はまず両替商から米切手を借りて現在の市中価格(2万円)で売ってしまう。しばらくして実際に値段が暴落して仮に市中価格が半値(1万円)になってしまい、この値段で在庫が売れたとする。そうなると1万9000円でコメを仕入れて1万円で売ったので、9000円の損が出る。しかしここで2万円で売った米切手も半値になっているので、1万円で買い戻せる。これを両替商に返却すればこの時点で1万円の利益となり、9000円の損をカバーできる。

一方、逆に米価が3万円まで暴騰した場合は、2万円で売ってしまった米切手を3万円で買い戻さなければならないので1万円の損が出る。だが1万9000円で仕入れたコメも3万円で売れるので、こっちで1万1000円の利益となり、どちらにしてもしっかり保険がかかっている。

しかし米切手のつめかえしは市中価格の代金が丸々必要となるため、コメ商人にとってかなりの負担が生じた。
だが米市には値段が上がると見込んで買う人と、下がると見込んで売る人がいる。
コメ商人たちはこれを利用し、次に米切手を介入させない取引を試みた。

まず取引の基準にする米切手の銘柄を決める。コメが値上がりすると思う人は架空の米切手を買ったことにし、値下がりすると思う人は架空の米切手を売ったことにする。これらはすべて帳面上で行い、値動きを見ながら、買っている人は転売し、売った人は買い戻したことにして実際の値動きの差額を精算すれば、つめかえしと同様の効果が得られる。

これは現物を伴わないカラ売買だが、値動きは実物米そのものなので現実に即した値段に収斂される。
問題は米屋だけの取引だと売り買いどちらかに偏りやすいので売買の成立がしにくくなるというケースが発生することだが、米切手が介入しないため誰でも自由に参加が可能であり、商人と消費者両方が関わって形成された米価なので公正な価格と位置づけられ、国内の基準値として全国に広まった。

これが先物取引の原形である。
途中、幕府による規制など諸々の苦難を乗り越え、1730年8月15日に南町奉行大岡越前守忠相の名で「堂島米会所」は正式に認められた。以後、先物取引が世界各地で誕生する。

(参考文献:「商品先物こばなし DОJIMAショート・ショート」島実蔵著)

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