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東商取、次期システムは大阪取との共同利用~現行と同じOMX、2年後の秋にも乗り換え

JPXとの協力関係強化、“総合取”に関する組織的再編は否定

東京商品取引所と大阪取引所は9月24日、大阪取のデリバティブシステムの共同利用に関する基本合意書を締結した。

東商取は次期取引システムについて、自社開発から他取引所との共同利用まで幅広く検討していたが、最終的に大阪取との共同利用を選択した。

2016年(平成28)秋頃に現行システムからの乗り換えを目指しており、今後は来年1月の契約書締結に向け両社で細部を詰める。東商取が大阪取を選択した背景には、システムを自社開発するよりかなり割安になるという資金的な理由に加え、両社の現行システムがナスダックOMXと同一メーカーであることが大きい。

商品先物との親和性が高くシステム対応の負担が少ないため、取引業者側にとってもコスト負担がある程度抑えられる。また東商取は「大手ネット証券の参入」を喫緊の目標としているが、大阪取と同じシステムを使用することで証券側からの商先市場参入コストが抑えられるという効果も期待できる。

なおシステムの共同利用が総合取引所の創設に及ぼす影響について、東商取の江崎格社長は直接的な影響を否定している。


最終的に最も無難な道を選択したと言えるだろう。大阪取の親会社である日本取引所グループ(JPX)からシステムの共同利用に関する条件が提示されたのは8月29日で、それから基本合意書の締結まで1カ月かかっていないことから、共同利用に係る具体的な金額は非公表としているが資金的な条件が許容できる範囲内であったことが窺える。

東商取の喫緊の課題は一にも二にも出来高の増加で、市場ルールの見直しもシステム整備もすべては市場参加者を増やし上場商品全体で出来高の底上げを図る目的に沿って実施される。

江崎格社長は24日の記者会見で、私的諮問機関である経営刷新会議について同日取りまとめを行ったことを明らかにし、これに関連して「来年度から黒字を定着させる」と目標を示したが、具体的な道筋は不透明なままである。

今回のシステム共同利用に関してJPXとのパイプが強固になり、江崎氏も「今後色々な協力関係が生じる可能性はある」と含みを持たせたが、現段階では総合取引所に関連する組織的再編を示すものではなく、人的な交流など当面は表層的なものになるとみられる。

東商取がナスダックOMXのシステムを導入したのは2009年(同21)5月のことで、この時は23時までの夜間立会も同時に開始した。国際間の市場競争を強く意識し、出来高が右肩下がりの状況にある中で基盤整備を最優先して、やや強権発動的ともいえるほど迅速な対応をせざるを得なかった。

その際、取引業者に対し新システム及び新取引ルールへの移行は「対応できるところからスタートすればいい」という姿勢を取った。だが、経営環境が著しく悪化していた取引業者の中には、商先市場の将来性を危ぶみ事業シフトや商先ビジネスの縮小を考えていたところもあり、システム投資に見合った採算が得られるか検討を進める中で足並みが乱れ、システムベンダーも顧客からゴーサインが出ないため動くに動けなかった。

このため時間だけがどんどん押して最終的に極めてタイトなスケジュールになり、新システムの稼働日に合わせ現場はかなり混乱したという経緯がある。

また稼働前年の2008年(同20)8月には、日本商品先物振興協会のIT化戦略諮問会議において大手商先ベンダーから「諸々の疑念点があるので稼働時期を遅らせるべきだ」とする提言がなされたが、取引所側は「示された問題点はベンダー及び取引員サイドの事情」と取り合わなかった。

上記の「対応できるところからでいい」という取引所側の表現には、「無理をしなくても準備が整ってからでいい」という建前的な側面と、稼働後は旧システムや旧ルールでは接続や注文執行が不可能である以上、「間に合わないところは切り捨てる」という本音があったとみる方が自然だ。

ただ当時は40社ほどあった商先業者も、直近では30社を割り込んでいる。

今回の選択では、引き続きOMXを使用することで既存の取引業者のシステム対応コストを極力抑えるという狙いもある。実際ある商先ベンダー幹部は「東商取がOMXを選択しないと、資金的に負担できない業者が出るだろう」との見解を語っている。2009年5月に稼働した現行システムに関し、業務要件が固まったのは08年の3月で、当初は「09年度内の導入」を予定していた。

それが翌4月の理事会で稼働時期を「大型連休明け」として1カ月ほど遅らせたが、これは取引所の都合によるものだった。

そこからのスケジュールは、08年10月までにパッケージ導入及び周辺システムの改修、11月から翌年1月までの検収試験、2月から4月までの業者参加による模擬売買という基本計画に沿って、ベンダーと業者は稼働4カ月前の1月までにシステム開発・改修、接続試験を済ませ、同時に端末機器の設置、接続試験用ネットワークの施設、本番環境用ネットワークの施設を経て2月からの模擬売買に臨むという非常にタイトなものだった。

稼働時期を後ろにずらすほど開発を先行している業者側はコスト負担が増し、逆に前倒しするとベンダー側が開発スタッフを増員させなければならず人件費が膨れる。それぞれの立場で事情が異なるため線引きが難しい問題ではあるが、当時の東工取は経産省主導の計画推進を最優先し、業界事情を考慮しながら基本計画の立案、推進という協調姿勢がみられず、「一方的な押しつけ」と不満を抱いた商先業者の経営者は少なくない。

次回のシステムは大阪取も絡んでくる。コスト負担や時間配信を極力調整し、スムーズな導入がなされることを期待したい。

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