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東京国際金融センター検討会議に江崎社長が出席

JPXから斉藤CEO、両者とも総合取には触れず

東京都は10日、東京国際金融センター構想の実現を目的に設置した「東京国際金融センター検討タスクフォース」の第2回公開意見交換会を開催した。

前回同様民間事業者を5人招いてそれぞれの立場から都に提案を行う形式で、都から舛添要一知事をはじめ前田信弘副知事(座長)、安藤立美副知事(副座長)、12人の委員に6人のオブザーバーが出席したが、今回商取業界から東京商品取引所の江崎格社長が参加し、商品先物市場の現状を踏まえ望ましい環境整備について訴えた。

具体的には2000年以降における商品先物市場の出来高推移を規制の導入と比較しながら述べ、現在の海外取引及び夜間取引の状況、さらに上場商品や現在の取組みを紹介した上で「個人の新規参入がないと取引は減る一方」と危機感を強調した。

同会議は都庁第一本庁舎7階の大会議室で行われ、江崎氏の他に日本取引所グループ取締役兼代表執行役グループCEOの斉藤惇氏、生命保険協会の棚瀬裕明理事事務局長、日本投資顧問業協会理事も務める東京海上アセットマネジメントの大場昭義社長、日本損害保険協会の深田一政常務理事の4氏が参加し、それぞれの業界事情に沿った提言を行った。

舛添知事は冒頭の挨拶で都民のリスクテーキングについて「コメ相場(先物取引)を世界で初めてやっていた国民性に合わないわけがない」と国際金融センターとして東京の地位を向上させる考えを示した。


今回、江崎氏斉藤氏ともに総合取引所に関するコメントはなかった。

江崎氏は市場流動性の向上に
・年金等のポートフォリオへの商品先物組み入れ
・現株と商先における税制上の損益通算及びヘッジ会計・税制の適用基準見直し

が環境整備として求められると訴えた。特に公的年金を運用する年金積立管理運用独立行政法人(GPIF)の運用方針見直しには期待を寄せており、企業年金などにも商品先物投資が拡大することが望ましいとした。さらに㈫内外投資家の参入促進に繋がる投資優遇税制の実施、コンピュータサーバに係るPE解釈による課税問題の解消—を指摘した。

PE(Permanent Establishment)、つまり恒久的施設解釈の課税問題とは、海外常在で国内の非居住者である投資家が日本国内で所有または賃貸するシステムサーバーについて、現在PEと見なされ課税対象になっている件を指す。シンガポールなどでは課税対象外となっている。このほか㈬仲介業者(ブローカー)の育成、㈭金融教育の充実及び専門家の育成—を挙げた。

一方、JPXの斉藤氏は「真の国際金融センター化の実現に向けて」と題した独自の資料をもとに話を進めた。

まず強調したのは日本国民の運用意識の低さで、前提となる金融資産の構成比率について株式及び投信の運用費率が14%(米国は42%、ユーロ圏は23%)と極端に劣っている点に対し「いかに日本人が投資を回避してきたか」と指摘している。昨年末時点の公募投信残高における各国運用額比較でも、世界トップである米国の15,017(10億ドル単位、以下同)に対し、日本は9位で774に過ぎない。

これについて対GDP比では米国が89%、日本は16%と運用規模の違いが際立っている。ちなみに2位以下はルクセンブルク3,039(対GDP比5,079%)、オーストラリア1,624(108%)、フランス1,531(56%)、アイルランド1,439(660%)、英国1,166(46%)、ブラジル1,018(45%)、カナダ940(52%)ときて、日本の下に中国479(5%)がいる。

さらに江崎氏が大口機関投資家の候補として期待を寄せるGPIFにしても、現在国内株アクティブ運用の受託機関14社のうち7社が外国の運用機関で、斉藤氏は国内にアクティブ運用の専門家が少ない点も懸念事項に挙げている。同氏は金融プロフェッショナルが東京に集まるためには、金融規制をネガティブリスト方式に変え、リストに載っていないことは何でもやっていいという明快なルールが望ましいとの考えを述べた。

今回の会議に、主務省である3省庁からの参加はなかった模様だ。あくまで都が主体であり、東京都の存在感を向上させアジアを代表する国際金融センターにしようという狙いがある。5月29日の初会合では国際協力銀行の渡辺博史総裁、国際銀行協会のポール・ハンター事務局長、大和総研の岡野進専務、野村證券の岩崎俊博執行役副社長、三菱東京UFJ銀行の荒木三郎常務の5人が民間事業者代表として参加している。

都は議論をもとに施策案をまとめ国へ提言する方針だが、時期的な道筋などは不透明だ。

ただ、舛添知事は第2回会合の冒頭挨拶で「東京五輪を控えて最後の時期」と東京の改革についてラストチャンスであるとの認識を示している。同様の意見を初会合で岡野氏も述べている。国内金融市場を盛り上げる資金源は、「外国のお金を呼び込む」という考えで舛添知事と民間事業者代表はほぼ一致している。知事は資金だけでなく人材においても「外から入れないと無理ではないか」と外国人の積極的な受け入れにも関心を寄せている。

知事は会議の終盤、江崎氏に商品先物市場から個人が減少した背景を聞いた。同氏は規制や勧誘トラブルの推移を話した上で、「業界体質は変わり外務員の質も上がった」と強調したが、加えて斉藤氏の提言に引っ掛ける形で、商品先物の個人勧誘こそネガティブリストが必要だと訴えてもよかった。

2005年(平成17)5月の改正商品取引所法施行時、個人への再勧誘規制が敷かれ、これを境に出来高は毎年坂道を下る勢いで急減していった。規制自体は世界的な潮流でもあり問題視されるものではないが、ただ勧誘規制導入が手数料自由化とほぼ同時期に重なったことで、業者のビジネス転換が間に合わず経営状態の極端な悪化を招いたことも事実である。

とどめが2011年(同23)1月の不招請勧誘禁止規制で、極限まで過疎化が進んで今の商先市場は廃村のような様相を呈している。加えてアベノミクスによる証券市場の活況で資金の引き上げが続き、日本商品清算機構の総預かりは1,000億円を割り込む危険性がある。

こうした状況下で、現在対面営業主体の商先業者は、証券サイドの金融商品に注力するなど、商品先物から軸足を移すような動きもみられる。特に新卒の若年層には、トラブル回避のため商先営業をさせない。また商先外務員でも金についてしか説明できない一極集中型が増えている。

毎月の商品別出来高比率で半数近くを金が占める状態では仕方がない状況ではあるだろうが、ベテラン外務員のように農産物や石油を啓蒙できない分、どうしてもこれらの市場が盛り上がっていかない。

例えば電話アプローチにしても、どこまでやっていいのかという境界線は今に至っても業界関係者で解釈が違う。挨拶の約束を取り付けるための電話なら問題ないという意見もあれば、電話自体が違法だとする人もいる。結局主務省や日本商品先物取引協会がいくら細かいガイドラインを策定しても、会話のニュアンスまでをすくい取って起こり得るモデルケースをすべて列挙することは不可能と言える。

それに往々にして規制解釈は厳しい方へ引き摺られていく傾向が商先業界では強いので、多少規制のネジを緩めた程度では証券側を向いている業者の対応が変わらない可能性もある。

結局「市場参加の意思を示した人には自己責任で参加してもらう」という基本方針を土台に、後は無理に取引をさせない営業を徹底させれば、それで事足りるのではないか。「業界体質の改善」は江崎社長だけでなく商先関係者のほとんどが感じている。現在、商先業界ネガティブリストには「22時以降の勧誘は不可」など質の低い文言は必要ない。

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