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国内商先ネット、実働口座の減少傾向さらに強まる

先物振興協会9月末調査、休眠口座の活性化推進を
建玉保有ネット口座わずか7,082、新規顧客導入も急務


日本商品先物振興協会は15日、電子取引の状況推移に関する2013年(平成25)9月期の定期調査結果を公表した。調査は毎年3月末と9月末の2回実施しており、今回調査対象となったのは国内商品先物を扱う31社中ネット取引を手掛ける14社。

ネット業者が保有するすべての口座数(兼業する対面口座も含む)は3万4,888と前回調査より19口座増加にとどまりほぼ横ばいだが、このうち証拠金残高のあるネット口座数は2万5,218(前回調査比172減)、さらにこの中で建玉のある口座数に絞ると7,082(同751減)と減少傾向が顕著になっている。

3月末時点で商先業者全社が保有する顧客口座数は7万9,569で、個人による複数業者の重複を考慮しなくても建玉のあるネット口座は全体の10分の1に満たない数字だ。

休眠口座の多さを裏付ける調査結果で、見方を変えれば商先ネット業者の厳しい経営環境が伺える内容といえる。休眠口座の稼働と同時に、新規顧客をいかに早く大量に導入するかが喫緊の課題である。


商先ネットの大手業者によると、ネットから入る顧客はほとんど大口注文のない1枚、2枚の小口取引が主体で、なかなか手数料売り上げには繋がらないという。それでも30万、50万と数がまとまれば十分ビジネスとしてやっていけるが、現状では見通しが暗い。この会社の経費削減ぶりは数千円単位にまで及び、「切れるものは切り尽くした」(ベテラン幹部)として一刻も早い商先市場の浮揚を期待する。

ただ規制緩和の見直しについては「業者の営業では出来高への反応にタイムラグが生じる」(同)として取引所の営業体制強化がカギだと訴える。

ネット業者の生命線ともいえる取引システム費用は、取引所同様かなりの負担となっている。開発ベンダー側にとっても近年続く業者の減少は経営上の危機を招いており、「少ないパイを業者で奪い合う状態」(大手商先ISV幹部)と各社生き残りに必死な状態だ。別業者のISV幹部も「遠くない時期に商先ISVで合従連衡が進むのではないか」と予想する。

各社とも取引所のシステム更改に合わせてギリギリの人員で対応しなければならず、「取引所にはなるべく早い段階でシステム対応を決めてもらいたい」との願いはISV各社に共通したものだ。

6年前の2008年(平成20)8月、OMXシステムの導入を進めていた東京工業品取引所(現東商取)について、日本商品先物振興協会の専門部会であるIT化戦略諮問部会に対しあるISV代表が懸念事項をまとめたメモを提出した。新システム計画に関するタイムスケジュールやコスト負担に関する疑問点を列挙し「新システムの稼働時期を遅らせるべきだ」と主張した。だがこれが火種を招いた。

東工取の担当役員は「これらはISVや取引員サイドの問題に過ぎず、取引所の計画自体が問題の根源ではない」という認識で、問題点を指摘したISV代表を呼び「なぜこの時期になっていたずらに不安を煽るようなことをするのか」と難詰した。

かつて商取業界では主務省、取引所が決めた計画に異を唱えることはタブー視されていた。この慣習は今でも根強く生きている。前述の問題で当時ISV代表に取材したところ、「システム導入計画だけみても問題点はわからない。業務要件が出揃って初めて疑念点が生じてくるものだ」と回答している。

この時最も問題視していたのはシステム開発費用の見積りができないことで、当時下降線を辿っていた取引員が開発費用を賄えるかどうか、また臨時雇いのエンジニアに対する人件費がどこまで膨らむのか、システム業者として大変ナーバスにならざるを得ない状況下にあったことは間違いない。

今は当時以上に市場を巡る環境が悪化している。仮に東商取が日本取引所グループ(JPX)の取引システムに相乗りする形で取引所の総合化路線に舵取りを向けた場合、果たしてどれだけの業者がシステム費用を負担できるか、今から懸念する声が業界内部で聞かれる。

そもそもJPX自体が独自路線で商品デリバティブの取り扱いを検討している現状において、東商取側が希求する「商品先物との親和性」がどこまで反映されるかは、まったくの未知数だ。JPXに強い影響力をもつ日本証券業協会が商取業界に関心が薄く、商品デリバティブについて「既存の協会員及び協会員と同等の規制が課される業者に対する自主規制は、基本的に本協会が担うことが必要と考えられる」と明確に単独路線を強調している。

ネット取引の比重は今後増える一方で減ることはないだろう。休眠口座の活性化は、現状でもっとも早期に市場流動性を増やす振興策といえる。怖いのは証券やFXにシフトし商先口座からの資金引き上げが加速する事態で、昨年のアベノミクスブームで少しずつそうした気配が垣間見える。

日本商品清算機構(JCCH)における委託取引全体に係る預り証拠金額(LG分を含む)を検証すると、2012年9月末時点で1,400億円(うち電子取引に係るもの658億円)、2013年3月末では1,381億円(同717億円)、直近データの同年9月末時点では1,221億円(同734億円)と、総預り額は減少しつつ逆にネットの比率は高まっている。

一方、FXでは店頭最大手である外為どっとコムの調査機関、外為どっとコム総合研究所が2012年7月から翌年6月にかけて実施した延べ1万人に及ぶ顧客へのアンケートによると、証拠金の額については割合が高い順に10万円未満(23.1%)、10〜30万円(18.8%)、100〜300万円(14.7%)、50〜100万円(13.6%)、30〜50万円(11.6%)と続いている。50万円未満という回答が全体の半数以上で、これを100万円未満に拡張すると80%以上を占める。

口座数をみると昨年3月末時点における店頭FX全体の設定口座数は444万2,502口座(前年同期比14.0%増)で、このうち1月から3月までに取引があった稼働口座数は73万5,813口座(同22.6%増)と大きく増加している。

一方、同時期の取引所FX(くりっくと大証の合計、以下同)は設定口座数が65万1,507口座(同23.9%増)と店頭同様増加したのに対し、稼働口座数は4万3,705口座(同17.2%減)と逆に減少している。外為総研によれば稼働口座の伸び率が設定口座の伸び率を上回ったのは2007年以来のことで、「リーマンショック以降の円高基調と2011年から翌年にかけてのドル円相場の底這い状態が、アベノミクス効果に伴う円安への動きで活発化したことが大きく寄与した」と分析している。

この調査はFXのみを対象としており、併用している金融商品については「詳細は把握していない」(神田卓也取締役調査部長)としながらも、「金や原油の相場は為替と相関性が高いので、商品への注目度は高そうだ」との見解を示している。

こうした潜在顧客をどうにか国内商先市場へ誘致し取引に繋げ、流動性を活性化させていくことが重要だ。444万口座のたった1%が金を1枚ずつ注文するだけで、金市場の建玉が1.5倍に増える。

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