2014年10月先 物 新 報

先 物 新 報

商品先物業界の専門紙記者が、業界ニュースを中心に関連情報をお届けします。
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個人投資家誘致に金限日取引、年度内にも

東商取、経営刷新会議の取りまとめを公表
TOCOMタイム、TSR20上場、当業者向け施策も拡充


東京商品取引所は10日、収益拡大に向けた経営刷新会議の取りまとめを取締役会に報告し、公表した(下記参照)。同会議は現状の厳しい経営状況を打開し、経営黒字化への道筋をつける目的で7月に江崎格社長の私的諮問機関として発足した。

取りまとめでは具体的施策として、経費の半分以上を占めるシステム費用削減を目的にIT専門家の役員又はアドバイザーの登用や、FXに馴染んだ個人投資家向けに同じ仕組みとなる金の限日取引を提供することなどを盛り込んでいる。

当業者向けも合わせた施策がすべて出揃うのは1年半後を見込んでおり、その間にも構造変化に応じて適宜対策を実行する。


取りまとめでは個人投資家の裾野拡大を目的に、FXプレイヤーが参入しやすいよう金の限日取引を導入する。主務省との調整を図り年度内の開始を目指す。またネット投資家の興味を喚起するようメディアの露出度を高め、日本商品先物振興協会との連携を図りつつ情報提供も充実させる方針。

貴金属市場が収入の大半を占める東商取は、石油市場の底上げを図るため帳入値段の算出基準時間帯を変更する。現在全市場で15時13分から15分までの2分間で、個別競争売買により成立した約定値段と取引数量の過重平均により算出した値段を帳入値段としているが、11月4日以降、石油及び中京石油市場は当業者の商習慣に配慮し算出時間帯を15時10分から15分の5分間とする。この5分間を「TOCOMタイム」と称し周知を図る。

さらに低迷する農産物市場の活性化のため商品設計を見直し、流通実態などを勘案しながら当業者が参入しやすいよう配慮する。新規商品では天然ゴム現物市場の中心がRSSからTSRに移行しているため、TSR20の上場を検討する。このほか手数料体系も柔軟に対応し、機関投資家誘致に注力する。

経営刷新会議取りまとめ

【提言】
経営刷新会議は、東京商品取引所に対し、現在の厳しい経営状況を打開し、早期に経営黒字化と将来の事業展開に道筋をつけるべく、以下に示す収益改善のための取り組みをスピード感を持って実行するよう提言する。

〈費用削減〉
(1)取引所経費の半分以上を占めるシステム経費削減のために、第三者の助言に基づく定期的な妥当性の検討と、IT専門家の役員又はアドバイザーの登用の検討を行うと共に、IT利活用の最大化と能動的かつビジネス戦略に合致したIT戦略の立案を図ること
(2)監査業務関係の効率化に向けた商先業界関係団体との協議を進めること

〈収益拡大〉
(1)取引所収益の大部分を占める定率参加料収入を増加させるためには取引高の増加は最重要課題であり、今後も市場参加者カテゴリー別・商品別に様々な利便性向上のための施策を実行すること
・個人投資家向け施策
・当業者向け施策
・海外参加者(海外プロップ・投資家等)向け施策
(2)当面の黒字化のため短期的かつ確実なその他の収益源を確保すること
・不動産の有効活用
・手数料体系の柔軟化
・委託調査の受託
・総合エネルギー市場の創設
・現物部門へのアプローチによる収益源確保(貴金属現物市場の整備)

【費用削減のための施策】
(1)取引システム関係
・取引所経費の6割弱を占める「システム経費」については、適宜第三者機関(監査法人等)によるシステム監査等の助言サービスを受けながら、業務委託先から実績工数等のデータを入手して、定期的に費用の妥当性を検討することが望ましい
・システム経費の割合が高く、ITの重要度は増していることから、役員にITの専門家を加える又はアドバイザーをつけることが望ましい
・IT利活用の最大化と能動的かつビジネス戦略に合致したIT戦略の立案を図ることが望ましい

〈監査業務関係〉
・監査業務一元化による商先業界(東商取、JCCH、保護基金)全体のコスト削減については、法令等との整合性を踏まえつつ、商先業界全体の監査業務の効率化とコスト削減に向けて協議を進めることが望ましい

【収益拡大のための施策(1)】
個人投資家向け施策

〈個人投資家〉
・個人投資家等が安心して取引できる環境整備をすること
→「帳入値段取引」の導入
(市場流動性が低い商品・限月において、個人投資家等の委託者の円滑な市場離脱を可能とするセーフティーネットとしての役割を期待、ただし、帳入値段の決定において不正行為がなされないよう運用を監視することが重要)
・FXと同等レベルの情報を提供して、メディア露出度を高め、セミナー等を開催してネット投資家の興味を喚起することで、ネットCXの取引の裾野拡大を働き掛けること
→日本商品先物振興協会と連携を図りながら取引所・商先業者共に以下の施策を実践すること
→WEBマーケティングでは精緻な行動分析のノウハウを蓄積して利用すること
・ネット投資家層の呼び込みを目的として、FXと同じ仕組みで「金限日取引」の導入を検討すること(ただし、金ミニとの流動性分散等に留意すること)

【収益拡大のための施策(1)】
当業者向け施策(1)

〈当業者・石油市場〉
・中東産原油の最終決済価格を、現在のDD原油の価格フォーミュラである「プラッツ・ドバイ/オマーン平均」から、実務上よく利用されている「プラッツ・ドバイ」に変更すること
→中東産原油の最終決済価格を「プラッツ・ドバイ」に変更予定(2015年6月限から)
→DME及びPlatts社との連携強化により、市場間の活発な裁定取引を通じて、アジアにおける中東産原油の公正な価格形成と取引の活性化を図ること
・石油製品(東京ガソリン・灯油、中京ガソリン・灯油)について、以下の施策を通じて取引活性化を図ること

【収益拡大のための施策(3)】
当業者向け施策(2)

〈当業者・農産物砂糖市場〉
・とうもろこし、大豆
取引高増加のためには、他の上場商品並みに回転率を上げる必要があり、そのためには、日計り商いなど回転の高い取引を行うプロップ、HFT等の取引参入を促すこと
→とうもろこし及び一般大豆市場でのマーケットメーカー導入等の働きかけ
→取引単位拡大の検討(大豆等)
(ただし証拠金料率との関係やSCOが利用できないことのインパクト等を勘案して慎重に判断)
・小豆
現在の流通実態に合った受渡制度に変更すること
→カナダ産小豆を受渡供用品に追加(2014年11月限以降)
→当社での受渡しに際し、原産地証明書に代わる「貨物証明書(倉荷証券記載事項証明書)」を当社が発行して受方に交付予定(2014年11月限以降)

〈当業者・ゴム市場〉
・TSR20の上場
天然ゴム市場における価格指標市場としての地位を維持するために、TOCOMにおいてもTSR20の上場を検討すること
→天然ゴムの現物市場の中心がRSSからTSRに移行していることへの対応
→TOCOM市場におけるRSSとの裁定取引の活発化
→SGXやSHFEとのTSR20の裁定取引の活発化
(既存のRSSとの流動性分散の可能性等もあるが、現在の流通実態に鑑み、TSRの指標を提供することは重要・当業者が市場参入しやすい受渡方法とすることやプロップ業者の参入を促すような手数料体系の柔軟化が必要)

【収益拡大のための施策(4)】
海外参加者向け施策(1)

〈海外参加者〉
・ボリュームディスカウント・マーケットメーカーの誘致、アクセシビリティの向上による海外プロップ等の誘致によって市場流動性の増加を図ること
→シカゴデータセンタ接続回線提供プロジェクト(2014年9月から提供開始)
・世界的な金融危機、ドッド・フランク法やバーゼル㈽など金融規制の強化による欧米大手投資銀行の商品取引事業縮小・撤退や、その受け皿となった資源商社・当業者の台頭など、コモディティ市場の構造変化に対応した施策を実行すること

【収益拡大のための施策(5)】
その他の収益源の確保

〈不動産の有効活用〉
・賃貸料収入の増加を図るため、商先業界の各団体を当社ビルのテナントに誘致すること
→業界全体が厳しい経営環境にあり、不動産の有効活用は非常に有意義であることから、全ての団体の理解を得られるよう丁寧に折衝していく必要がある

〈手数料体系の柔軟化〉
・定率参加料については、現行の商品別設定方式を見直して、委託手数料との関係や限月ごとの取組状況等を勘案しながら、商品別・限月別など戦略的手数料体系とすることについて、関係各社との協議を含め今後検討していくこと

〈委託調査の受託〉
・官公庁等からの委託調査の受託を今後も積極的に行っていくこと

〈総合エネルギー市場の創設〉
・石油、ガス、電力各業界、日本卸売電力取引所、エネ庁等と連携して「総合エネルギー市場」を創設すること
→子会社であるJOEにおいて、これまでの石油製品OTC取引に加え、LNGのOTC取引を開始(2014年9月)

〈貴金属の現物市場整備〉
・アジアにおける金価格のベンチマークとなる市場の整備を検討すること
→東京ゴールドアカウントの創設
→金先物市場とETF/ETNとのリンケージ強化
→金の限日取引

【参考・これまでの費用削減の取組み】

〈人件費の削減〉
・夜間取引導入・延長など業務拡張の中、5年間で人員及び人件費の大幅削減
→人員の大幅削減:役職員数(派遣社員含む)24%減
→役職員の人件費カット:総額20%減

〈システム経費の見直し〉
・電算事業費5年間(2009年度〜2013年度)総額
→当初見込み比11.4億円(14%減)

〈運営費の削減〉
・運営費の見直しにより、5年間で運営費の大幅削減:年間3.3億円削減(60%減)
→調査費、宣伝費(広報活動の全面見直し等)
→旅費交通費(出張案件見直し、ビジネスクラス廃止等)
→事務費、交際費他(事務機器削減等)

〈税負担の軽減〉
・JCCHの完全子会社化と連結納税制度適用による税負担軽減

〈業務の効率化〉
・JCCHとの間接部門の統合
→JCCHの子会社化を機に、間接部門(財務経理等)を統合して当社グループ全体として人材の効率的活用とコスト削減

〈遊休資産売却と経費節減〉
・保養所、ゴルフ会員権等の遊休資産の売却とそれによる経費削減・キャッシュフロー改善   

(以上)

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国内商先、9月末外務員数2,336人に

苦情2件、問い合わせ30件

日本商品先物取引協会は、国内商品先物市場における9月末の登録外務員数をまとめた。

それによると月末の外務員数は2,336人と、前月比で40人減少した。このうち仲介業者は194人で9人減少した。

このほか日商協がまとめた同月における苦情・相談の受付状況等によると、9月の苦情は2件で紛争直接申出も2件あった。

一方、9月の問い合せは30件で、内訳は現会員関連が20件、廃業など元会員関連が4件、その他が6件となった。その他のうち、海外先物等に関するものは0件、FX等に関するものは1件だった。

東商取、次期システムは大阪取との共同利用~現行と同じOMX、2年後の秋にも乗り換え

JPXとの協力関係強化、“総合取”に関する組織的再編は否定

東京商品取引所と大阪取引所は9月24日、大阪取のデリバティブシステムの共同利用に関する基本合意書を締結した。

東商取は次期取引システムについて、自社開発から他取引所との共同利用まで幅広く検討していたが、最終的に大阪取との共同利用を選択した。

2016年(平成28)秋頃に現行システムからの乗り換えを目指しており、今後は来年1月の契約書締結に向け両社で細部を詰める。東商取が大阪取を選択した背景には、システムを自社開発するよりかなり割安になるという資金的な理由に加え、両社の現行システムがナスダックOMXと同一メーカーであることが大きい。

商品先物との親和性が高くシステム対応の負担が少ないため、取引業者側にとってもコスト負担がある程度抑えられる。また東商取は「大手ネット証券の参入」を喫緊の目標としているが、大阪取と同じシステムを使用することで証券側からの商先市場参入コストが抑えられるという効果も期待できる。

なおシステムの共同利用が総合取引所の創設に及ぼす影響について、東商取の江崎格社長は直接的な影響を否定している。


最終的に最も無難な道を選択したと言えるだろう。大阪取の親会社である日本取引所グループ(JPX)からシステムの共同利用に関する条件が提示されたのは8月29日で、それから基本合意書の締結まで1カ月かかっていないことから、共同利用に係る具体的な金額は非公表としているが資金的な条件が許容できる範囲内であったことが窺える。

東商取の喫緊の課題は一にも二にも出来高の増加で、市場ルールの見直しもシステム整備もすべては市場参加者を増やし上場商品全体で出来高の底上げを図る目的に沿って実施される。

江崎格社長は24日の記者会見で、私的諮問機関である経営刷新会議について同日取りまとめを行ったことを明らかにし、これに関連して「来年度から黒字を定着させる」と目標を示したが、具体的な道筋は不透明なままである。

今回のシステム共同利用に関してJPXとのパイプが強固になり、江崎氏も「今後色々な協力関係が生じる可能性はある」と含みを持たせたが、現段階では総合取引所に関連する組織的再編を示すものではなく、人的な交流など当面は表層的なものになるとみられる。

東商取がナスダックOMXのシステムを導入したのは2009年(同21)5月のことで、この時は23時までの夜間立会も同時に開始した。国際間の市場競争を強く意識し、出来高が右肩下がりの状況にある中で基盤整備を最優先して、やや強権発動的ともいえるほど迅速な対応をせざるを得なかった。

その際、取引業者に対し新システム及び新取引ルールへの移行は「対応できるところからスタートすればいい」という姿勢を取った。だが、経営環境が著しく悪化していた取引業者の中には、商先市場の将来性を危ぶみ事業シフトや商先ビジネスの縮小を考えていたところもあり、システム投資に見合った採算が得られるか検討を進める中で足並みが乱れ、システムベンダーも顧客からゴーサインが出ないため動くに動けなかった。

このため時間だけがどんどん押して最終的に極めてタイトなスケジュールになり、新システムの稼働日に合わせ現場はかなり混乱したという経緯がある。

また稼働前年の2008年(同20)8月には、日本商品先物振興協会のIT化戦略諮問会議において大手商先ベンダーから「諸々の疑念点があるので稼働時期を遅らせるべきだ」とする提言がなされたが、取引所側は「示された問題点はベンダー及び取引員サイドの事情」と取り合わなかった。

上記の「対応できるところからでいい」という取引所側の表現には、「無理をしなくても準備が整ってからでいい」という建前的な側面と、稼働後は旧システムや旧ルールでは接続や注文執行が不可能である以上、「間に合わないところは切り捨てる」という本音があったとみる方が自然だ。

ただ当時は40社ほどあった商先業者も、直近では30社を割り込んでいる。

今回の選択では、引き続きOMXを使用することで既存の取引業者のシステム対応コストを極力抑えるという狙いもある。実際ある商先ベンダー幹部は「東商取がOMXを選択しないと、資金的に負担できない業者が出るだろう」との見解を語っている。2009年5月に稼働した現行システムに関し、業務要件が固まったのは08年の3月で、当初は「09年度内の導入」を予定していた。

それが翌4月の理事会で稼働時期を「大型連休明け」として1カ月ほど遅らせたが、これは取引所の都合によるものだった。

そこからのスケジュールは、08年10月までにパッケージ導入及び周辺システムの改修、11月から翌年1月までの検収試験、2月から4月までの業者参加による模擬売買という基本計画に沿って、ベンダーと業者は稼働4カ月前の1月までにシステム開発・改修、接続試験を済ませ、同時に端末機器の設置、接続試験用ネットワークの施設、本番環境用ネットワークの施設を経て2月からの模擬売買に臨むという非常にタイトなものだった。

稼働時期を後ろにずらすほど開発を先行している業者側はコスト負担が増し、逆に前倒しするとベンダー側が開発スタッフを増員させなければならず人件費が膨れる。それぞれの立場で事情が異なるため線引きが難しい問題ではあるが、当時の東工取は経産省主導の計画推進を最優先し、業界事情を考慮しながら基本計画の立案、推進という協調姿勢がみられず、「一方的な押しつけ」と不満を抱いた商先業者の経営者は少なくない。

次回のシステムは大阪取も絡んでくる。コスト負担や時間配信を極力調整し、スムーズな導入がなされることを期待したい。

岡藤HD、金融情報サイトをリリース

パソコン、タブレット、スマホに対応

岡藤ホールディングスは9月22日、金融情報サイト「オカトー・マーケットアイ」(http://okato-eye.com)を開設したと発表した。

コモディティや新興国の情報を中心に、証券や為替を含めた総合的な金融情報について、価格・チャート・ニュース・レポートや、投資シミュレーション、投資講座を配信する。パソコン、タブレット、スマホいずれにも対応している。

なお開発はフラクタルシステムズ。

東商取主催の金セミナー、10月16日に

5部構成、今後の市場動向など解説

東京商品取引所は10月16日、「GOLDで新たなビジネスを〜金融商品としての『金』」と題したセミナーを開催する。商先ベンダーのフラクタルシステムズが協賛し、今後の市場動向や金を使用した金融商品の紹介など、テーマごとに講演を行う。

当日は5部構成で、会場は東京商品取引所地下1階セミナールーム。時間は14時から16時15分で、定員は40人(1社2人まで)。参加は無料。申込みは専用ページ(http://www.fractal.co.jp/seminar/)へ。

なお演題及び講師は以下のとおり。

【第1部】「投資家目線での『金』の魅力と現在の市場動向」(ワールドゴールドカウンシル日本代表・森田隆大氏)

【第2部】「コモディティ市場における『金』の魅力とは?」(東商取営業部・市村誠貴氏)

【第3部】「『ETF』×『金』2つの相乗効果と将来性」(三菱UFJ信託銀行フロンティア戦略企画部・渡辺啓輔氏)

【第4部】「金現物を利用したリテール向け製品(純金積立・地金販売)」(岡藤商事コールセンター投資商品課・鈴木謙介氏)

【第5部】「設備投資不要!クラウドを使ったシステムソリューション」(フラクタルシステムズ営業部・山口直樹氏)

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