2014年06月先 物 新 報

先 物 新 報

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主務省が改正検査マニュアルなど公表~金商法に足並み揃え、7月1日付で施行

消費者委が来週にも商先業者に非公式ヒアリングを

経産及び農水両主務省は23日、平成26年度商品先物検査基本方針及び検査基本計画、改正版商品先物取引業者等検査マニュアル、改正版商品先物取引業者等の監督の基本的な指針を公表した。

改正は省令に関わる部分で、検査マニュアルでは新たな業者が商品先物市場に加入する際、業者の手続きを簡素化させるよう金融商品取引法と足並みを揃えた。

また同法で確立しているバイナリーオプションへの対応も、名実的に追加した。それぞれ7月1日付で施行される。一方、現在主務省が進めている不招請勧誘の見直しを含む新たな規制体系案について、経産省担当課は本紙取材に対し「パブリックコメントの集計は終わった」と進捗状況を語った。

現在日本商品先物取引協会と消費者団体の弁護士などで、一般投資家に対する理解度の確認書面について意見交換が行われ、来週にも消費者委員会が商先業者に非公式でヒアリングを行う予定となっている。新たな規制体系の施行にはヒアリング後に消費者委との調整などが必要となり、もう少し時間がかかる見通しだ。


検査マニュアルは2011年(平成23)1月8日、商品先物取引法の完全施行を受け制定・施行されたもので、翌2012年(同24)11月16日、翌2013年(同25)3月29日に改正され、今回で3回目の改正となる。

検査官が対象先を検証するための手引書として活用することを目的に商品先物取引法、IOSCO(証券監督者国際機構)の原則及び商品先物取引業者監督の基本的指針などを踏まえて策定したもので、商品先物取引業者のあるべき姿及び確認項目などを明記している。

検査マニュアルは業者側が社内体制の構築及び社内チェックの際の参考として活用することも念頭に作成している。

今回同時に公表された今年度の検査基本方針及び検査基本計画では、商先業者に対して10社程度検査を実施し、取次業者は随時、自主規制機関など団体は必要に応じて実施する旨が掲げられている。基本計画によると、組織や取引規模が比較的大きく市場への影響も大きいと考えられる業者については原則として、継続的に業務運営の状況、財務の健全性などの検証を行い、それ以外の業者は各種情報を分析した上で検査実施の優先度を判断するとしている。

また重点的に検査する分野として、
(1)委託者等の保護等に係る検証
(2)内部管理態勢等に係る検証
を挙げている。

(1)は主に適切な勧誘や顧客対応が行われているかが焦点で、顧客の知識、経験、財産など適合性原則の観点から検証し、不招請勧誘などの不適当な勧誘、顧客の属性に見合う説明責任が果たされているかを注視する。

(2)においては検査対象先の規模や特性を勘案し、内部管理態勢や財務の健全性を含むリスク管理態勢の適切性を重視する。さらに商先業者の業務運営におけるITシステムへの依存度は年々高まる一方であり、かつ一般投資家のネットによる商品先物取引への参加が広がっている背景を踏まえ、システムリスク管理態勢の適切性と実効性に対しても検証を強化する。

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日商協・先物協会、総会で原案承認

岡地先物協会長、さらなる緩和の要求を

日本商品先物取引協会及び日本商品先物振興協会は18日の総会で、2013年度(平成25)の事業及び収支予算報告を承認した。

また両団体とも任期満了に伴う役員改選が行われ、日商協は荒井史男会長が6期目の再選、先物協会も岡地和道会長が再選となった(関連人事を下に掲載)

岡地会長は総会の挨拶で、対面営業の勧誘規制について今後「これ以上の規制緩和を要求してはいくが、簡単ではない」とする見解を示した。また先物協会副会長を辞任したドットコモディティの車田直昭会長は昨今の市場縮小について懸念を表し、最後の挨拶で「商品業界が立派な業界になる、これは変わらぬ夢」と語った。

同氏の辞任により副会長職は当面空席となるが、岡地会長は「なるべく早い時期しかるべき方にお願いしたい」との考えを明らかにした。

日本商品先物振興協会
◇会長 岡地和道(岡地社長)
◇常務理事 杉原吉兼(事務局)
◇理事 新任・有馬誠吾(コムテックス社長)、宇佐美洋(多摩大大学院教授)、新任・篠塚真(ニューエッジ・ジャパン証券社長)、多々良實夫(豊商事会長)、二家勝明(日本ユニコム会長)、古田省三(岡藤商事会長)、細金英光(フジトミ社長)、村上久広(KOYO証券副会長)
◇監事 成道秀雄(成蹊大経済学部教授)、新任・姫野健一(岡安商事社長)、新任・依田年晃(サンワード貿易社長)

日本商品先物取引協会
◇会長 荒井史男(弁護士)
◇副会長 二家勝明(日本ユニコム会長)、守田猛(事務局)
◇専務理事 杉田定大(日本商品委託者保護基金専務理事)
◇理事 天坂春敏(時事通信社元取締役)、稲垣隆一(弁護士)、宇佐美洋(多摩大大学院教授)、江崎格(東京商品取引所社長)、岡地和道(岡地社長)、椙山敬士(弁護士)、多々良實夫(豊商事会長)、玉置正人(三菱東京UFJ銀行市場企画部長)、升田純(中央大法科大学院教授)、三村光代(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会最高顧問)
◇監事 木下恵嗣(公認会計士・税理士)、中島義則(弁護士)、細金英光(フジトミ社長)

東商取、シカゴとの専用高速回線設置

9月16日に提供開始、プロバイダーはKVH社

東京商品取引所は13日、自社の持つ東京データセンターと米CMEグループがイリノイ州オーロラに保有するデータセンターとの間で専用高速線の設置について合意したと発表した。9月16日に提供を開始する。

通信プロバイダーはKVHで、すでにCMEグループのコロケーション利用客に多くの地域からの接続を提供している。また東商取のプロキシミィティ・データセンターはKVH東京が保守管理しているなど、アジア地域においても実績がある。

東商取の海外からの取引注文は年々増加し、現在取引全体の4割に達するまでになっているが、特定取引所との専用回線は初めての試みで、今回の設置は米国側の業者にヒアリングの末検討したもの。江崎格社長は「将来的に10社くらい入ってくれたら」と専用線を通じた取引を見込んでいる。

KVHはGlobal Ether-WAN回線でCME〜東商取間を122ミリ秒という高速な接続サービスを行い、回線帯域は10から50Mbpsまで10Mbpsごとに全5種類、冗長性を確保するため2回線1セットで提供する。

今回の件について江崎社長のコメントは以下のとおり(要約)。

「今回のサービス提供によりCMEグループに関係する多くのサービス・プロバーだーとの協力が可能となり、東商取市場への参入が容易になる。またCME Globexを利用する市場参加者に東商取での取引機会を大きく広げるものとなってほしい。今年初頭にシカゴを拠点とする多くの市場参加者と意見交換を行ったところ、今回の取り組みについて多くの賛同が得られたので、大平洋を越えて東商取市場に参加してもらえることを確信している。」

東京国際金融センター検討会議に江崎社長が出席

JPXから斉藤CEO、両者とも総合取には触れず

東京都は10日、東京国際金融センター構想の実現を目的に設置した「東京国際金融センター検討タスクフォース」の第2回公開意見交換会を開催した。

前回同様民間事業者を5人招いてそれぞれの立場から都に提案を行う形式で、都から舛添要一知事をはじめ前田信弘副知事(座長)、安藤立美副知事(副座長)、12人の委員に6人のオブザーバーが出席したが、今回商取業界から東京商品取引所の江崎格社長が参加し、商品先物市場の現状を踏まえ望ましい環境整備について訴えた。

具体的には2000年以降における商品先物市場の出来高推移を規制の導入と比較しながら述べ、現在の海外取引及び夜間取引の状況、さらに上場商品や現在の取組みを紹介した上で「個人の新規参入がないと取引は減る一方」と危機感を強調した。

同会議は都庁第一本庁舎7階の大会議室で行われ、江崎氏の他に日本取引所グループ取締役兼代表執行役グループCEOの斉藤惇氏、生命保険協会の棚瀬裕明理事事務局長、日本投資顧問業協会理事も務める東京海上アセットマネジメントの大場昭義社長、日本損害保険協会の深田一政常務理事の4氏が参加し、それぞれの業界事情に沿った提言を行った。

舛添知事は冒頭の挨拶で都民のリスクテーキングについて「コメ相場(先物取引)を世界で初めてやっていた国民性に合わないわけがない」と国際金融センターとして東京の地位を向上させる考えを示した。


今回、江崎氏斉藤氏ともに総合取引所に関するコメントはなかった。

江崎氏は市場流動性の向上に
・年金等のポートフォリオへの商品先物組み入れ
・現株と商先における税制上の損益通算及びヘッジ会計・税制の適用基準見直し

が環境整備として求められると訴えた。特に公的年金を運用する年金積立管理運用独立行政法人(GPIF)の運用方針見直しには期待を寄せており、企業年金などにも商品先物投資が拡大することが望ましいとした。さらに㈫内外投資家の参入促進に繋がる投資優遇税制の実施、コンピュータサーバに係るPE解釈による課税問題の解消—を指摘した。

PE(Permanent Establishment)、つまり恒久的施設解釈の課税問題とは、海外常在で国内の非居住者である投資家が日本国内で所有または賃貸するシステムサーバーについて、現在PEと見なされ課税対象になっている件を指す。シンガポールなどでは課税対象外となっている。このほか㈬仲介業者(ブローカー)の育成、㈭金融教育の充実及び専門家の育成—を挙げた。

一方、JPXの斉藤氏は「真の国際金融センター化の実現に向けて」と題した独自の資料をもとに話を進めた。

まず強調したのは日本国民の運用意識の低さで、前提となる金融資産の構成比率について株式及び投信の運用費率が14%(米国は42%、ユーロ圏は23%)と極端に劣っている点に対し「いかに日本人が投資を回避してきたか」と指摘している。昨年末時点の公募投信残高における各国運用額比較でも、世界トップである米国の15,017(10億ドル単位、以下同)に対し、日本は9位で774に過ぎない。

これについて対GDP比では米国が89%、日本は16%と運用規模の違いが際立っている。ちなみに2位以下はルクセンブルク3,039(対GDP比5,079%)、オーストラリア1,624(108%)、フランス1,531(56%)、アイルランド1,439(660%)、英国1,166(46%)、ブラジル1,018(45%)、カナダ940(52%)ときて、日本の下に中国479(5%)がいる。

さらに江崎氏が大口機関投資家の候補として期待を寄せるGPIFにしても、現在国内株アクティブ運用の受託機関14社のうち7社が外国の運用機関で、斉藤氏は国内にアクティブ運用の専門家が少ない点も懸念事項に挙げている。同氏は金融プロフェッショナルが東京に集まるためには、金融規制をネガティブリスト方式に変え、リストに載っていないことは何でもやっていいという明快なルールが望ましいとの考えを述べた。

今回の会議に、主務省である3省庁からの参加はなかった模様だ。あくまで都が主体であり、東京都の存在感を向上させアジアを代表する国際金融センターにしようという狙いがある。5月29日の初会合では国際協力銀行の渡辺博史総裁、国際銀行協会のポール・ハンター事務局長、大和総研の岡野進専務、野村證券の岩崎俊博執行役副社長、三菱東京UFJ銀行の荒木三郎常務の5人が民間事業者代表として参加している。

都は議論をもとに施策案をまとめ国へ提言する方針だが、時期的な道筋などは不透明だ。

ただ、舛添知事は第2回会合の冒頭挨拶で「東京五輪を控えて最後の時期」と東京の改革についてラストチャンスであるとの認識を示している。同様の意見を初会合で岡野氏も述べている。国内金融市場を盛り上げる資金源は、「外国のお金を呼び込む」という考えで舛添知事と民間事業者代表はほぼ一致している。知事は資金だけでなく人材においても「外から入れないと無理ではないか」と外国人の積極的な受け入れにも関心を寄せている。

知事は会議の終盤、江崎氏に商品先物市場から個人が減少した背景を聞いた。同氏は規制や勧誘トラブルの推移を話した上で、「業界体質は変わり外務員の質も上がった」と強調したが、加えて斉藤氏の提言に引っ掛ける形で、商品先物の個人勧誘こそネガティブリストが必要だと訴えてもよかった。

2005年(平成17)5月の改正商品取引所法施行時、個人への再勧誘規制が敷かれ、これを境に出来高は毎年坂道を下る勢いで急減していった。規制自体は世界的な潮流でもあり問題視されるものではないが、ただ勧誘規制導入が手数料自由化とほぼ同時期に重なったことで、業者のビジネス転換が間に合わず経営状態の極端な悪化を招いたことも事実である。

とどめが2011年(同23)1月の不招請勧誘禁止規制で、極限まで過疎化が進んで今の商先市場は廃村のような様相を呈している。加えてアベノミクスによる証券市場の活況で資金の引き上げが続き、日本商品清算機構の総預かりは1,000億円を割り込む危険性がある。

こうした状況下で、現在対面営業主体の商先業者は、証券サイドの金融商品に注力するなど、商品先物から軸足を移すような動きもみられる。特に新卒の若年層には、トラブル回避のため商先営業をさせない。また商先外務員でも金についてしか説明できない一極集中型が増えている。

毎月の商品別出来高比率で半数近くを金が占める状態では仕方がない状況ではあるだろうが、ベテラン外務員のように農産物や石油を啓蒙できない分、どうしてもこれらの市場が盛り上がっていかない。

例えば電話アプローチにしても、どこまでやっていいのかという境界線は今に至っても業界関係者で解釈が違う。挨拶の約束を取り付けるための電話なら問題ないという意見もあれば、電話自体が違法だとする人もいる。結局主務省や日本商品先物取引協会がいくら細かいガイドラインを策定しても、会話のニュアンスまでをすくい取って起こり得るモデルケースをすべて列挙することは不可能と言える。

それに往々にして規制解釈は厳しい方へ引き摺られていく傾向が商先業界では強いので、多少規制のネジを緩めた程度では証券側を向いている業者の対応が変わらない可能性もある。

結局「市場参加の意思を示した人には自己責任で参加してもらう」という基本方針を土台に、後は無理に取引をさせない営業を徹底させれば、それで事足りるのではないか。「業界体質の改善」は江崎社長だけでなく商先関係者のほとんどが感じている。現在、商先業界ネガティブリストには「22時以降の勧誘は不可」など質の低い文言は必要ない。

国内商取及び関連団体の決算まとまる

東商取、出来高減で9億円の最終赤字に
ジャパンOTCエクスチェンジ、24日に市場開設を


国内商取関連団体の2013年度(平成25)における決算がまとまった。東京商品取引所及び関連4団体はそれぞれ取締役会または理事会、臨時総会で通年度に渡る事業報告及び決算案を承認した。

まず昨年度に連結で黒字計上だった東商取は、1日平均出来高が前年度比で約1万枚減少したことなどを受け営業収益が同13.8%減の28億5,300万円、営業利益が▼13億5,700万円(▼は赤字)、経常利益が▼8億7,600万円、当期純利益が▼9億1,200万円と赤字に落ち込んだ。東商取は新たな任期満了に伴う役員の選任とともに25日の株主総会に諮る。

また18日に総会を開く日本商品先物取引協会は事業活動予算3億400万円に対し同支出が2億5,200万円となり、次期繰越収支差額が7,900万円となった。

日商協と同日に総会を開く日本商品先物振興協会は会費収入5,000万円、運営準備積立金取崩5,300万円などで収入合計1億600万円に対し、支出は事業費3,900万円、啓蒙書籍出版費1,200万円、事務所費5,500万円など収入とほぼ同額の計1億600万円となった。

このほか5月30日に総会を終えた日本商品委託者保護基金は、年度中に自主弁済案件が2件発生したが弁済困難には至らず、決算における一般勘定は会費・手数料収入1億3,600万円、他勘定受入額2億2,700万円など計3億9,600万円、支出は事業費2億4,300万円、管理費1億5,500万円など計4億3,100万円となった。

東商取の完全子会社である日本商品清算機構は金利収入が4億3,200万円と前年度比で4,000万円ほど減少し、税引前当期純利益が1億400万円、当期純利益が6,500万円となった。JCCHは30日の総会に諮る。


東商取の江崎格社長は5月30日の記者会見で、今年の目標について「個人投資家参入に力を入れたい」と述べ、ネット証券を通じた参入を促進させたい考えを示した。現在主務省が調整している勧誘規制の見直しについても、原案に近い形での実現が望ましいと語っている。

任期満了に伴う新たな役員体制は、現行の取締役8人の全員再任を株主総会に諮るが、「8人でも機能はギリギリ満たせる」と増員はせず現在空位の専務執行役にも後任は充てない見通し。

前年度に42億1,100万円かかった営業費用は「過半がシステム費用」(江崎社長)で、赤字を広げた一因として東京穀物商品取引所が解散したことでシステム利用料が入らなくなった影響も大きい。

今後の取引所運営に大きく関わる新システムの方針策定は、日本取引所グループのシステム入札が決まるという7月以降、利用料の見積りや性能を検討して判断する。

収益多様化の一環としてギンガエナジージャパンと共同で昨年11月に設立したジャパンOTCエクスチェンジが、24日に市場開設する。開設市場はTOCOMスワップ取引(原油・ガソリン・灯油・軽油・中京ガソリン・中京灯油)とRIMスワップ取引(ガソリン・灯油・軽油・A重油・LSA重油)。開設後、全国各地で当業者セミナーを開いて、市場啓蒙を行う方針。

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