2014年02月先 物 新 報

先 物 新 報

商品先物業界の専門紙記者が、業界ニュースを中心に関連情報をお届けします。
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堂島取、コメ先物設計にテコ入れ

4月に発会する26年産米から適用

大阪堂島商品取引所は21日の理事会で、試験上場中のコメ先物について市場の実態などを勘案した制度設計の見直し案を承認した。東京コメについて、流通実態を勘案し従来の取引単位6トンを受渡単位と同一の12トンに引き上げる。

受け渡しについても等級、年産のくくりの中で銘柄の壁をなくしたことで、当業者のみならず生産者に対しても大幅に利便性が向上する。

このほか東京コメと大阪コメについて提出書類や文言を統一させ、整合性を図った。これらは4月に発会する2014年(平成26)年産米から適用される。コメ先物は来年8月までが試験上場期間となる。

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東商取、香港投資家から直接注文が可能に

海外シェアトップの香港、1月は海外取引の44.6%に

東京商品取引所は20日、香港の規制当局SFCから19日付でATS(Automated Trading Services)提供の承認を受けたと発表した。SFCは域外の取引所における市場運営の適切性や信頼性などを確認する際に独自の基準を設けており、審査を通った取引所にATS提供の承認を付与している。

ATS提供を承認された取引所は、香港のSFC承認企業である取引所メンバーに対し、当該市場に直接注文を発注できるダイレクト・アクセスを提供することが可能となり、東商取は今後香港を拠点とする機関投資家への働きかけを強める方針。

東商取の直近1年における出来高の海外比率は2013年(平成25)1月に31.5%だったが、年半ば以降40%超えを4度記録し、今年1月も総出来高の38.7%にあたる59万2,362枚と依然高い水準にある。

同月は13カ国の取引実績があったが、香港は海外シェアトップの44.6%と半数近くに達しており、米国、シンガポールとともに有力国となっている。

なお東商取が海外規制当局から承認されダイレクト・アクセスを可能としたのは今回で2例目となる。初の承認はドバイDFSAで2012年(同22)6月28日付のこと。東商取は現在米国CFTCとシンガポールMASにも申請を行っており、経産省も政府機関に働きかけるなど承認に向けバックアップしている。

JPX・新システムの公募概要を発表、6月末〜7月末に開発ベンダー決定

求められるのは商品先物との親和性

日本取引所グループ(JPX)は4日、デリバティブの売買システムにおける開発ベンダーの公募概要を発表した。JPXは昨年7月、現物売買システムを東証の「arrowhead」へ統合し、デリバティブ売買システムは3月に大証の「J-GATE」への統合を予定している。

JPXの2015年(平成27)までの中期経営計画によると、アジア地域における地盤固めを目的にデリバティブ市場の拡大に重点を置いているが、今回「新たなマーケットデザインの構築」のためにデリバティブシステムの開発業者公募に至った。

JPXの次期システムについては東商取にとっても今後の組織体制に関わってくる重要な問題であり、商品先物との親和性を働きかけていく方針だが、JPXの公式リリースでは「利便性に優れ国際的にプレゼンスの高いシステムを構築する」と商品先物については特に触れられていない。

なお、新システムは2016年(同28)の稼働が見込まれている。


JPXが発表した新システムの公募概要によると、選考に参加する場合はホームページから資料請求を行うことになるが、この受け付けが今月18日で終了する。

その後JPXから次期デリバティブ売買システム開発ベンダー選定参加申込み資料が郵送されるので、3月5日(必着)までに必要書類を揃えて提出する。

これが書類審査による一次選考となる。ここではJPXが数社を選定する。

一次選考に合格した場合、JPXと秘密保持契約を締結するが、これが4月上旬となる予定。そこから選考を通過したベンダー各社は提案書を提出することになるが、この締切りが5月中旬になる見通し。

JPXは各提案書に沿って審査し、6月末から7月末あたりに開発ベンダーが正式に決まる。ベンダーは大証と契約し開発を推進する流れとなる。

ベンダーの資格要件について、JPXは
・日本国内において、継続的にサービス提供が可能なこと
・経営の状況又は信用度に問題がないこと
・提案依頼書(RFP)提示前にJPX所定の秘密保持契約を締結可能なこと
・反社会的勢力との関連がないこと

を定めている。

JPXの斉藤惇最高経営責任者(CEO)は1月31日の会見で、次期デリバティブシステムにおける商品先物の取り扱いについて、一応は前向きと取れる発言を行っている。

東商取とJPXは、互いに前身である東京工業品取引所と東京証券取引所グループだった2008年(同20)1月、相互協力協定(MOU)を締結している。
・相互の市場の発展と効率的な運営の促進
・投資家の保護及び公正かつ秩序ある市場の運営

という題目は掲げていたが、当時すでに出来高が下り坂だった東工取は、証券サイドとパイプを繋げることで大口の顧客を呼び込みたいとする狙いがあった。さらに東工取は同年2月に大証ともMOUを締結したが、ここでは「取引システム等のインフラに関する情報交換」をはっきりと協力事項に掲げていた。

このように東工取は両証券取とMOUを土台に情報交換に関して研究会を設けたが、いつの間にか失速して話題にもならなくなった。

商品と証券の人的交流がなかなか活発化しないのは、証券サイドの特に大手業者からの抵抗が強いためである。証券では業界団体の発言力が商品よりずっと強い。

JPXが商品に傾注しようとしても、実際そう簡単な話ではない。だが両業界のパイプが取引所でも役所でも業者でもなく、ベンダー間を起点に強化されるという流れも、システムの重要性を鑑みればそう無理のない話である。

岡地子会社がSGXから表彰

ゴム市場活性化に寄与

大手商品先物取引業者の岡地の子会社で香港法人のOKACHI(Hong Kong)は7日、シンガポール取引所(SGX)から同取のゴム先物市場の活性化に貢献したとして「トップ・オーバーシーズ・ブローカー賞」を授与した。

同日は同国内のシャングリラホテルで表彰式が開かれ、OKACHIの矢ケ崎成人代表取締役が記念の盾を渡された。

OKACHIはシンガポール、東京、香港、シカゴなどで先物や証券のブローカー業務を行っており、SGXゴム市場の前身となるシンガポール商品取引所に日系ブローカーで初めてメンバー資格を得ている。

岡地も1980年(昭和55)の香港進出以後、アジアで事業を広げマレーシア証券取引所のパーム油先物市場では取引シェアが25%に達している。

先物協会、来年度の取組課題をまとめる

知名度向上が喫緊かつ最大の課題
一般投資家に発信可能な規制体系に


日本商品先物振興協会は1月28日の理事会で、2014年度(平成26)における取組課題をまとめた。
・商品先物市場の活性化・流動性拡大に向けた取組
・会員の経営活性化に資する環境整備に向けた取組
・望ましい金融所得税制の実現に向けた取組
・商品先物取引の認知度向上への取組

について単元別に方針を定め商品先物市場の活性化に努める。

一般投資家に対しては従来どおりの手法を踏襲し、セミナーやサイトを通じての情報提供を強化するほか、近く出版予定のテクニカル入門書とタイアップしたセミナーを実施し認知度向上を図る。

あわせて外務員向けの市況講演会を継続し、銘柄別にまとめたパンフレットを順次電子ファイル化して会員提供を行う。環境整備については営業活動を行いやすいよう規制緩和の要望を持続するとともに、業者の自己取引が活性化するよう純資産額規制比率におけるコモディティリスクの軽減策について、主務省と協議を続ける。

このほか金融所得課税一体化の早期実現を目指し、投資クラブ等を対象とする講師派遣、大学寄附講座もこれまでどおり踏襲する。


今回策定した取組課題には特にこれまでと違う新たな項目はないが、現状における最大の問題点は商品先物取引の知名度が他の金融商品に比べてかなり低いことに尽きるだろう。同日の理事会でも「露出が少ないので増やしていく必要がある」という意見が出たが、知名度の低さを助長しているのが不招請勧誘禁止措置である。

会見で岡地和道会長も「せめて発信できるようにしてもらわないと…」と述べていたが、低い知名度がいつまでも向上しなければ参加者もより限定的になる。

これらの問題は商品先物業者に限った話ではなく、取引所の将来像にも大きな影響を与えるものといえる。東京商品取引所も現状の収支状況が今後も毎年続けば、恐らく片手の指をすべて折り曲げる前に経営が立ち行かなくなる見通しが濃厚だ。

そうなれば、電力先物上場も総合エネルギー市場構想も、すべてが水泡に帰してしまう。他の金融取引所が上場すれば同じことだとする意見は、業界の文化や歴史を無視した暴論に過ぎない。

商品先物取引の歴史は古い。それだけ形式も洗練され完成度も高い。こうした分野においては過去の蓄財を辿れば、必然的に喫緊の命題が浮かんでくる。日本の商先市場では常に一般庶民が主役であった。善悪で語る話ではなく、それが厳然たる事実だった。

こうした水流を塞き止めるように一般投資家と業者とを隔てる施策を推進した結果が、現在の惨状に繋がっている。最大の改善策は、当然自然の流れに戻すことである。海外取引所との競合を見据えた大口参加者の獲得競争に名乗りをあげるのは、せめて取引所の経営基盤が強固になり、業者も投資家も増加に転じてからでも遅くないのではないだろうか。

規制を見直せば消費者団体や日弁連が確実に吠え立ててくるだろうが、彼らは損を出した一般個人をまとめて“弱者”の扱いで括ってしまう。その画一的な見方がそもそも大きな間違いである。

誰かが勝てばどこかで他の誰かが涙を流すという構図は、商先市場に限らず社会全体の力学方程式である。消費者団体や日弁連の影で泣いている国民だって、きっと少なくはない。

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