2013年12月先 物 新 報

先 物 新 報

商品先物業界の専門紙記者が、業界ニュースを中心に関連情報をお届けします。
TOP > ARCHIVE - 2013年12月

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

2013年総括、商品先物業界10大ニュース

第1位  東穀取が解散、60年の歴史に幕(2月28日)
第2位  東工取→東商取、関西取→堂島取に名称変更(2月12日)
第3位  東商取次期取引システム、JPX相乗りを再度検討へ(12月13日)
第4位  堂島取コメ先物、農水省が試験上場延長を認可(8月7日)
第5位  商先規制、「アベノミクス」の規制改革で緩和路線明記(6月14日)
第6位  東商取、「総合エネルギー市場」創設を目指す方針示す(12月13日)
第7位  JCCH、SPAN証拠金の価格変動カバー率を99%に(9月2日)
第8位  先物協会、不招請勧誘撤廃への意見書を作成・公表(11月19日)
第9位  東商取、OTC市場運営の新会社を設立(11月29日)
第10位 エース交易が外資傘下に(2月8日)

第1位ニュース:詳説
2月28日の臨時株主総会で解散が決まった東京穀物商品取引所は、1952年(昭和27)10月の開所から60年、農産物のみならず商品先物取引の“聖地”として君臨してきた。解散決議に先んじて、2月12日に東商取と堂島取に上場商品をすべて移管し、事実上取引所としての機能は停止していた。業界内からは東穀取の解散を惜しむ声が絶えず、“一丁目一番地”とされた重厚な取引所ビルの売却、取り壊しにも慨嘆の声は今だに止まない。農水省が解散を認可したのは3月19日、その後清算業務にかかり、7月31日の事務所の賃貸契約解消をもって組織体が完全に消滅した。

第2位ニュース:詳説
東京工業品取引所が東穀取から農産物4商品の移管を受け東京商品取引所に、関西商品取引所も東穀取のコメ先物市場を継承し大阪堂島商品取引所と名を変えた。東商取の江崎格社長は「商品版の総合取引所」と位置づけ、アジア圏で確固たる地位の確立を目指すとし、堂島取も先物発祥の地である大阪からコメ先物を積極的にアピールする意向を打ち出した。

第3位ニュース:詳説
年頭の賀詞交歓会で東商取の江崎格社長が「遅くても年内」と期限を切ったシステム対応及び総合取への方針策定について、結局時間一杯まで調整を続け、最終的にJPXの対応を見た上で再度検討するというギリギリの選択となった。

第4位ニュース:詳説
コメの生産者団体から激しい反対を受けながらも、何とか試験上場にこぎつけたのは2011年(同23)8月8日だったが、直後に失速・低迷してしまい、以来今日まで細々とした出来高に終始している。仮に出来高不振を理由に延長申請を拒否されたら、それこそ堂島取の存在意義そのものに関わってくるため、農水省もさすがに即不認可とはできなかったようだ。

第5位ニュース:詳説
「骨太の方針」と「日本再興計画」でアベノミクスが出揃い、素案で総合取実現に向けた取組の促進が改めて盛り込まれ、1月に首相の諮問機関として発足した規制改革会議がまとめた規制改革実施計画では、創業等分野の個別措置事項として「リスクマネー供給による起業・新規ビジネスの創出」が12項目掲げられ、うち4項目が商品先物取引に関連している。ここで「顧客勧誘時の適合性原則の見直し等」と明記し、「平成25年度措置」と具体的に期限も示している。

第6位ニュース:詳説
東商取が今後の経営戦略として液化天然ガス(LNG)や電力などのエネルギー関連先物を総括する総合エネルギー市場の創設に向けて動き出す方針を発表。これについては主務省の経産省もバックアップする意向だが、現行の商先法では無体物の上場ができないため法改正が必要となる。

第7位ニュース:詳説
JCCHの価格変動カバー率引き上げは、2012年(同24)4月に発表されたCPSS-IOSCOの金融市場インフラ新原則で、清算機関のリスク管理能力の強化が盛り込まれたことに端を発する。国際的基準に合わせることで信頼性が高まるとの狙いがある。

第8位ニュース:詳説
内閣消費者委や日弁連などから勧誘規制緩和に反対する意見書が多く出されている現状を踏まえ、協会として先物市場の重要性を訴えつつ今後も規制緩和の要求を続けるとする意思表示を行ったもの。11月の内閣消費者委会合では、3省庁の課長が出席し、不招請勧誘禁止措置など規制の実態を説明している。

第9位ニュース:詳説
店頭(OTC)市場を運営するための新会社「ジャパンOTCエクスチェンジ」をギンガエナジージャパンと共同で設立。東商取が直接石油の現物市場活性化に携ることで指標価格の信頼性を高めると同時に、シナジー効果として先物市場の取引増加に繋げる狙いがある。

第10位ニュース:詳説
前年から新旧経営陣の対立が表面化していた同社に、結局外資による外様の新経営陣3人が入り決着を見た。6月には大証JASDAQ市場の上場を廃止し、12月には商号を「エボリューションジャパン」と変更するなど、昨年は動きが目立った。

スポンサーサイト

東商取システム問題、今後3年間は現行システム

JPX相乗りは先送り、出方を待って再度検討を
CME提携は夏頃断念か、「対象ではない」はっきり否定


東京商品取引所は13日の取締役会で、次期取引システムの選定について日本取引所グループ(JPX)の出方を見極めた上で、当面3年間は現行システムの使用を前提とし来年度に再検討する方針を固めた。

JPXは来年3月24日にデリバティブ市場を大阪証券取引所に集約し、その後に次期取引システムの選定について2016年(平成28)の稼働をメドに検討を開始する見通しで、来夏にも入札を行い正式に決定するものと見られる。

他方、JPXと並んで有力な提携候補先とされてきたシカゴ・マーカンタイル取引所グループ(CME)は、「対象ではない」(江崎格社長)とはっきり否定した。

今年の賀詞交歓会で「早ければ年半ば、遅くても年内」(同氏)とシステム対応を含めた総合取引所への基本方針策定については、「システム選定と組織的な関係は別」(同氏)との見解を示し、結局諸問題はすべて来年に持ち越しとなった形だ。

同日発表された東商取の中間連結決算は最終的に2億5,900万円の赤字(18日既報)となり、巨額を占めるシステム問題は引き続き来年も東商取にとって最大の懸念事項となりそうだ。


2007年(平成19)6月の第1次安倍晋三内閣時代、経済財政改革の基本方針で「取引所において、株式、債券、金融先物、商品先物など総合的に幅広い品揃えを可能とするための具体策等を検討し、結論を得る」として総合取引所構想を定義付け、以来経産省、農水省、金融庁で横断的な話し合いが持たれてきた。

2010年(同22)6月に閣議決定した新成長戦略の中では「2013年度までに垣根を取り払い、全てを横断的に一括して取り扱うことのできる総合的な取引所創設を図る制度・施策の可能な限りの早期実施を行う」と期限付きで総合取創設の方針を盛り込んだが、結局実現には至らなかった。

これについては省庁間の議論が予想以上に難航した上、さらに東日本大震災の発生で特に経産省が原発問題対応に相当な人員及び時間を割かなければならなくなり、総合取議論は停滞状態が長期化した。

もともと“総合取引所”という定義は、現物、金融デリバティブ、商品デリバティブといった多種多様な金融商品がひとつの窓口で取引可能になる状態を指し、必ずしも組織体の合併を意味するわけではない。

つまりJPXが金先物など商品先物を独自に上場すれば、それは総合取の創設を意味する。極論を言えば東商取や東京金融取引所が株式、FX、商品先物など自社にない金融商品を取り揃えて取引可能な状態にすれば、やはり総合取と呼ぶことができ、場合によっては複数の総合取が国内に並存する事態も理論上はあり得る。

だがこれはあまりに非現実的な論理で、何よりしっかりした財務体質と清算機関が伴わないと話にならない。だからこそ東証と大証は経営統合でJPXを構築し、市場機能や清算機能を集約して悩みのタネだったシステム費用を大幅に削減した。

東商取も今回の中間決算(連結)では営業費用21億200万円中、システム費用は約11億5,000万円と半額近くを占める。取引所の組織体を左右する大きな問題だからこそ、「遅くとも年内」と提示したギリギリの時期まで交渉を進め結論を引き延ばさざるを得なかったとも言えるだろう。

もっとも東商取はCME路線の選択肢については夏頃に見切りを付けた模様で、事実上早い段階からJPXに焦点を合わせていたことがわかる。だがとうとう判断材料となる情報を完全に集め終えるには至らず「対応が延びるほどコストもかかる」(同氏)と、時間に押し出されるような体勢でどうにかグレーゾーンに杭を打ち、選択肢の幅を残したような格好だ。

江崎社長は高額なシステム費用に関連して「抜本的なコスト削減とクリアリングの強化が必要」と話しているが、すでにかなりの部分で対策を講じており、大幅削減が可能な対象はシステム費用などごく一部に限られ、現行システムの延命にもできるだけ費用を抑えたいとする意向を示している。

東商取は当面、JPXに対し次期システムの選定に商品先物との親和性を最大限反映させるよう働きかけていく方針だが、直近の流動性減少も苦しい状況に追い打ちをかけており、JPXから出資の可能性を問われ「ゼロではない」(同氏)と回答するほど経営状況は逼迫している。

東商取中間決算、連結で2億5,900万円の最終赤字に

総合エネルギー市場創設方針も、通期は流動性低下でさらに厳しい数字が

東京商品取引所は13日、2013年度(平成25)の中間期(4月1日〜9月30日)における決算概要を発表し、今後の経営戦略として液化天然ガス(LNG)や電力などのエネルギー関連先物を総括する総合エネルギー市場の創設に向けて動き出す方針を示した。

日本商品清算機構(JCCH)との連結決算では、営業収益が16億2,900万円(前年同期比11.3%増)となった一方、営業費用も21億200万円(同7.2%増)と膨らみ4億7,200万円の営業損失となった。

これにより前年同期で1億8,200万円あった経常損失が、今回は2億2,500万円の損失が発生し、最終的に2億5,900万円の赤字になった。

中間期の財政状態は総資産が1,226億1,800万円(2013年3月期=1,395億6,300万円)、純資産が101億2,300万円(同103億8,300万円)で、自己資本比率は8.3%(同7.4%)となっている。

営業損失をさらに詳細にみると、営業外収益が2億4,700万円と、解散した東京穀物商品取引所のシステム利用における解約などでおよそ1億円強減少し、2億2,500万円の経常損失に繋がった。税引前の中間純損失も2億2,500万円、最終的な中間純損失は2億5,900万円と2年連続で中間期における赤字決算を計上した。

一方、東商取個別の決算では3億4,400万円の営業損失が発生、経常損失は3億100万円、中間純損失は2億7,200万円と前年度より悪化した。個別の財政状態では総資産が142億3,300万円(同161億6,200万円)、純資産が86億7,300万円(同89億4,600万円)で、自己資本比率は60.9%(同55.4%)となっている。

これを前年同期との比較を交えて詳細にみると、営業収益は14億8,700万円(前年同期比11.6%増)に対し営業費用が18億3,200万円(同6.5%増)生じたため3億4,400万円の営業損失となったが、前年度よりも4,300万円ほど改善した。

さらに営業外収益が6,200万円(同64.6%減)となり営業外費用が1,900万円(同55.8%減)かかったことで3億100万円の経常損失となった。

これにより税引前の中間純損失は経常損失と同じ3億100万円、最終的な中間純損失は2億7,200万円となった。

連結貸借対照表によると、流動資産は581億7,100万円で固定資産は644億4,600万円、流動負債はJCCHの取引証拠金が加味されるため1,041億6,100万円、固定負債は83億3,300万円となっている。これに純資産として株主資本が101億2,300万円など、1,226億1,800万円の資産を形成している。

このほかJCCHと連結扱いであるため営業外収益では1億6,500万円の受取利息、7,600万円の有価証券利息が発生している。

今回、総合エネルギー市場創設を打ち出したことで、信頼性構築のために財務基盤の強化は欠かせない必須事項となるが、直近の出来高をみると現状のまま推移すれば非常に厳しい通期決算が予想される。

なお損益計算書を東商取個別でみると、収入では営業収益として定額参加料が3,900万円、定率参加料が13億3,600万円、相場転送利用料が4,300万円、システム関連利用料が6,800万円で計14億8,700万円。営業費用の内訳は記されていないが、18億3,200万円発生したため3億4,400万円の営業損失が生じた。

日商協、通期決算予想は3,200万円の赤字

5日に会員代表者懇、多数の規制緩和を望む声

日本商品先物取引協会は5日に会員代表者懇談会を開催し、コンプライアンス体制確立プログラムにおける取組状況などを報告し業界を取り巻く問題点などを議論した。

同日は会員30社が出席し、上記案件のほか今年度の実行が予定されている規制改革実施計画についても報告を行った上で意見を交わした。大筋で規制緩和を期待する声がほとんどで、実状に即していない現在の規制状況が改めて浮き彫りになった格好だ。

次いで協会費の検証について報告があり、上半期の事業内容を鑑み下半期の会費は現状維持が望ましいとする意見がまとまった。

上期(4〜9月)は会費収入が1億5,500万円、事業収入が700万円などとなり、合計で1億6,300万円の実績となった。年度ベースでは3億400万円の収入を予想している。

これに対し上期の支出は、事業費9,800万円、管理費2,800万円などとなった。年度ベースでは事業費3億500万円、投資2,600万円、予備費500万円などと予想しており、現時点では3,200万円の赤字を見込んでいる。

なお同懇談会は不定期に開催しているもので、次回の予定は特に決まっていない。

賀詞交歓会、6日に鉄鋼会館で開催

東京商品取引所など在京5団体合同で開催する新年賀詞交歓会の日程が発表された。日時は1月6日10時半から12時で、会場は昨年に続いて鉄鋼会館(東京都中央区日本橋茅場町3-2-10)となる。

過去の記事 >>