2013年11月先 物 新 報

先 物 新 報

商品先物業界の専門紙記者が、業界ニュースを中心に関連情報をお届けします。
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先物協会、不招請勧誘撤廃への意見書を公表

内閣消費者委の規制緩和反対に対抗
今後特定団体への送付も視野に


日本商品先物振興協会は19日の理事会で、不招請勧誘禁止規制の撤廃に関する意見書をまとめ、即日協会サイトで公表した。内閣消費者委や日弁連などから勧誘規制緩和に反対する意見書が多く出されている現状を踏まえ、協会として先物市場の重要性を訴えつつ今後も規制緩和の要求を続けるとする意思表示を行ったもの。

特定団体への送付は状況を見ながら検討するとしている。なお同意見書に限らず協会は様々な機会をみて規制緩和を要望し続けており、「今回の取りまとめは特別なものではない」(岡地和道会長)との位置づけだが、海外の現状などと比較しつつ不招請撤廃の正当性を対外的に示すことで、対外的に広く理解を促す狙いがある。


意見書によると、
(1)商品市場の流動性を回復させ、産業インフラの機能を発揮させることが急務
(2)産構審では取引所取引への不招請勧誘禁止規制の導入は不要との結論に至っていたこと
(3)日商協による自主規制が十分に機能しており、取引所取引に対する不招請の適用を除外してもトラブルは抑制できること
(4)国内外の他の取引所取引と比較して行き過ぎた規制であること

の4項目が柱となっている。

上記4項目をみると、つまるところ諸問題の懸念事項すべてが(1)に係っており、(2)から(4)は傍流の事象に過ぎないと言えるだろう。(1)さえ解消され市場が躍動し始めれば不招請勧誘禁止規制などあってもなくてもいいということだ。

市場参加が当業者、商社、機関投資家などいわゆる“プロ”とされる投資家ばかりでは注文が偏りがちで、取引が成立しなくなる。つまり流動性に乏しくなり、市場機能を果たせなくなる。今まさにこの崖っ淵に追い込まれているのが商品先物市場で、個人の投資資金が枯渇しかかっている。

意見書では個人の資金を「流動性を生み出す潤滑油」と表現しているが、露骨に表現すれば取引で負けて市場に捲かれた損金を指す。これは人体にとって血液のようなもので、生命維持には必須の要素となる。

消費者団体が唱える「先物市場はプロ限定」とするスローガンは、血を抜き取った人体に生命を吹き込もうとする、狂信的なオカルトまがいの極論に過ぎない。川が干上がれば動物が離れていくのと同様に、餌がなくなった市場からは「プロ」が離れる。

プロがプロに対してケンカを吹っかけるような真似はまずやらない。あまりにリスクが大きいからだ。たくさんの一般投資家が市場に落として積み上がった資金を目にして、初めてプロと言われる集団が乗り込んでくる。

市場の生命維持サイクルは常にこうした構図を描くのであり、そこに善悪の概念を照らしたりプロ集団と個人との力学関係を問題視しても何も始まらない。やりたい人間は取引に参加し、嫌になったらやめればいいだけの話である。

最大の問題は取引したいという人間まで排除するという現状の歪な制度であり、業者は顧客に釣り上げてもらうのを水面下でじっと待つしかないという、およそ世界の商慣習と相容れない無機質なルールである。

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貴金属と石油はプロップ・農産物は個人主体

東商取の取引実態調査、9月対象に実施

東京商品取引所は20日、受託取引参加者を対象に市場取引の実態調査を行った集計結果を公表した。

調査対象は9月における売買高及び同月末における取組高で、売買高の参加者割合では個人27.9%(対面9.0%、ネット18.9%)、当業者12.9%、プロップ業者36.5%という結果が示された。

一方取組高の参加者割合では個人43.9%(同28.8%、同15.1%)、当業者31.3%、プロップ業者4.2%となった。

市場別に俯瞰すると、主力の貴金属及び石油市場では金41.3%などプロップ業者の割合が高く、特にゴム市場では外国商品取引業者を経由した海外からの取引が顕著にみられる。

これに対し農産物・砂糖市場はトウモロコシ57.3%、一般大豆66.2%など個人の割合が高く、根強い人気の高さが伺える結果となった。

取組高では個人の割合が売買高に比べ高いことから、比較的長期にポジションを保有する傾向が高いと推察される。

Tokyo Gold Festival 2014、東商取が後援

2月11日都内開催、東証、CMEグループも後援

一般投資家を対象に金投資に関連した啓蒙セミナー「Tokyo Gold Festival 2014」に、当業界から東商取、先物協会が後援する。

同イベントは来年2月11日に都内THE GRAND HALL(港区港南2)で開催され、主催はゴールドフェスタ運営事務局。特別後援はワールドゴールドカウンシル(WGC)で、上記2団体のほか東証、CMEグループが後援する。

時間は12時から18時で、定員は480人。参加は無料だが専用サイト(http://goldfes.jp/)から事前の申込みが必要となる。

講演者は政治学者の舛添要一元厚生労働大臣、WGCの森田隆大駐日代表、豊島逸夫事務所の豊島逸夫代表、マーケット・ストラテジィ・インスティチュートの亀井幸一郎代表、スタンダードバンクの池水雄一東京支店長、生活経済ジャーナリストのいちのせかつみ氏などが予定されている。

内閣消費者委、不招請「緩和すべきでない」との意見書まとめ公表

未だに続く商品先物への偏見と無理解、FXとの無意味な比較論も

内閣府消費者委員会は12日、第135回委員会を開催し商品先物取引における不招請勧誘禁止について議論し、「緩和すべきでない」とする意見書をまとめた。

これは総合取引所実現に向けた一連の動きに際し、制度整備の方向性次第で国内商先の不招請勧誘禁止措置が解除される可能性を踏まえて議論したもの。外国為替証拠金取引(FX)の成長を例にあげ、「ビジネスモデルの転換ができていない」、「商先はプロの世界」など、規制緩和に否定的な意見が大勢を占めた。


同委員会で誰が何を発言したか、一々名を挙げて取り上げるまでもない。市場を理解していない素人の居酒屋談義に過ぎない水準だからである。委員の人選が偏っているのはこうした議会の性質上仕方がないと言える。むしろこれまでの商先産構審のメンバー構成が異常で、大本の共通認識が一致した人選を行わないと、話が何も進まなくなる。商先反対派を揃えたからには、こうした結論が出るのは自明である。

それでもやはり委員会の無理解ぶりはちょっと目に余る。というより、商品先物の未経験者が寄り集まって出てくる意見は、「やりたくもない相手にしつこく勧誘して金を出させ、多額の損をさせた」、「制度を理解していない客を無理やり取引に引っ張り込んだ」など、聞きかじった他人の体験を通じて自身の論調と折り合いをつけただけのものである。

「被害者の声を広げて被害の連鎖を食い止めよう」とする委員会メンバーの正義感はいいが、こうした見方は残念ながら片手落ちと言わざるを得ない。ここでいう被害者は必ずしも、善意の民間人でありながら業者の陥穽にはまって財産を奪われた人ばかりではない。

益が出ている間はおとなしいが、負けが込むと業者に責任を擦り付ける手の平返しのタイプや、数社に口座を開き、売りと買いを別々の業者で仕込み外れた方の損は無視を決め込む確信犯的両建てタイプもいる。後者の場合、遠隔の地域からネットで取引されると、業者は損金を取り戻すのに大変な苦労が生じる。泣き寝入りというケースも少なくない。

こうした悪質な案件には目を向けず、「消費者=弱者」という固定概念を土台に施策を行った結果が、商先業者、ひいては業界をここまで疲弊させてしまったと言えるだろう。実際、大勝ちした人間が苦情を寄せたケースなど果たして過去にあっただろうか。

投資をする人間は必ず欲を持って取引を始めるが、それ自体は普通のことだろう。欲のない投資は寄附である。今回の委員会でも例によって「表に出ていない被害者の声はまだまだ多い」という意見が出ている。

だが、表に出したくても出せない業者の声も少なくないというくらいの認識は持っておくべきだ。「不招請導入から1〜2年しか経っていない」という規制緩和の尚早論も出たが、1年間収益の道を実質閉じられたらトヨタだってきつい。

また、こうした時勢をみて利に聡いのは、実は弁護士である。法曹人口の拡大を狙って2004年(平成16)に創設された放科大学院制度は、諸々の事情が絡んでうまくいかず、ほぼ崩壊している。商先業界にとっては何よりの朗報である。

弁護士がやたらに増え過ぎると、仕事に溢れる弁護士が増え、食い扶持を探して訴訟案件を作り出そうとする。そうなったら真っ先にターゲットになるのが多分この業界だろう。何せ頭の回転は速いから、あの手この手で難癖を付けては金を引き出そうとする。

もちろん委員の石戸谷弁護士はこのような手合いではないと思うが、六法全書を持ったテロリストの養成は、業界にとってこれ以上ない最悪な外敵を作り出す。

内閣府消費者委員会委員

・阿久澤良造(日本獣医生命科学大応用生命科学部長)
・石戸谷豊(弁護士)
・岩田喜美枝(21世紀職業財団会長)
・河上正二(東大院法学政治学研究科教授)
・齋藤憲道(同志社大法学部・法学研究科教授)
・高橋伸子(生活経済ジャーナリスト)
・夏目智子(全国地域婦人団体連絡協議会事務局長)
・橋本智子(北海道消費者協会長)
・山本隆司(東大院法学政治学研究科教授)
・唯根妙子(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会理事)

東商取、OTC市場運営会社を設立

ギンガ社と共同出資、LNG視野に

東京商品取引所は8日の取締役会で、シンガポールに本社を置く石油仲介大手ギンガ・ペトロリアムとの共同出資による店頭(OTC)市場の仲介運営会社設立を承認した。

東商取が直接石油の現物市場活性化に携ることで指標価格の信頼性を高めると同時に、シナジー効果として先物市場の取引増加に繋げる狙いがある。

新会社は年度内にも立ち上げる予定だが、資本金は1,000万円で出資比率は東商取40%、ギンガ60%。石油市場の活性化と同時に、液化天然ガス(LNG)の取り扱いも視野に入れ、最終的に世界初となるLNG先物市場創設を目指す。


LNGは主務省の経産省が主導で先物市場創設を目指している商品で、短期スポット市場の指標価格形成に向け役所主導でデータ収集を行い、価格情報の公表に向け準備を進めている。

これも年度内の開始を目指しているが、今後の日本のエネルギー政策にも関わる重要事項でもあり、経産省も市場を盛り上げたい意向だ。

今年前半に行われたLNG先物市場協議会では、3月29日の取りまとめで2014年度(平成26)の市場創設を目指す方針を打ち出した。

LNG先物の商品設計については、現物受渡しを伴わない差金決済市場とし、海外からの取引参加を促すためドル建てを主軸に検討する。標準品については最も流動性が高くなるよう設計し、取引単位なども商習慣と投資対象性を総合的に勘案して意見集約を図る。

その際国内のLNG需要家だけでなく、日本以外にも輸入量の多い台湾や韓国から意見や要望を聞くほか、アジアの石油製品において価格形成の拠点となっているシンガポールやシェールガスに関連して米国とも共同上場も視野に入れた連携模索などを主軸に据えている。

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