2012年08月先 物 新 報

先 物 新 報

商品先物業界の専門紙記者が、業界ニュースを中心に関連情報をお届けします。
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東工取・商取業者ら、「お金の教養フェスティバル」に協賛

商取業者から日本ユニコム、岡地、サンワード貿易の3社が

日本ファイナンシャルアカデミーは9月17日、一般投資家を対象に「お金の教養フェスティバル2012」を開催する。お金について正しく学び資産運用についての知識を身につけることを目的とするイベントで、今回で8回目の開催となる。

東京証券取引所グループや大阪証券取引所も協賛し、商先業界からは東京工業品取引所、日本ユニコム、岡地、サンワード貿易が協賛・協力する。

会場は昭和女子大学人見記念講堂(東京都世田谷区)で、時間は12時から17時反まで。

講演予定者は慶應義塾大学総合政策学部の竹中平蔵教授やNPO法人ガイア・イニシアティブの野中ともよ代表など。

入場は無料だが事前登録が必要となる。詳細や申込みは専用ページ(http://www.f-academy.jp/page/festival.html)へ。

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商先業者受託・取次29社の前年度決算概要

負の地滑り止まらず縮小続く、枯渇寸前の状況に
最終黒字17社も委託者・外務員数ともに減少へ


国内商品先物取引業者の2012年(平成24)3月期における決算開示情報が出揃った(詳細は下記表へ)。日本商品先物取引協会では会員であっても一般投資家からの受託がない場合は開示義務の対象外としており、今回開示したのは受託業者18社と取次業者11社の計29社(エイチ・エス・フューチャーズは今年度に入り廃業)。それによると最終黒字の業者は29社中17社と半数以上が黒字決算であったが、委託者数及び外務員数とも緩やかながら減少傾向が止まらず、どこも苦しい内情を抱えている。

【表の見方】単位は百万円で端数は切捨て。▼はマイナス。決算数値は全て個別集計。項目はすべて年度末時点の数値。なお日本商品先物取引協会の会員であっても、一般投資家からの受託がない業者は開示義務の対象外となり、記載なし。また数値は商品先物以外の兼業部分も含む。ただしGMOクリック証券の顧客数のみ商品先物と他を分けて公表していたため、商品先物分野の顧客数を掲載。

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商品先物上場5社の第1四半期決算、全社最終赤字に

期間中出来高が前年同期比17.6%減、手数料収入の大幅減が影響

国内商品先物取引業者の株式公開5社における第1四半期(4~6月)決算が13日に出揃った。

期間中の国内商品先物市場は出来高が645万159枚で前年同期比17.6%減と落込み、受取手数料が5社平均で31.0%もの大幅減となった。これにより5社すべてが最終赤字に落込み、平均で2億2,800万円の赤字となった。

会社別に見ると第一商品が営業収益においてほぼ半減し、豊商事、エース交易と主力会社の不振が目立った。なおフジトミは連結子会社がなくなったため、今回から個別業績での開示となった。

今期の業績見通しは第一商品のみ公表しており、通期では98億1,000万円の営業収益、34億2,000万円の経常利益、最終段階で20億9,800万円の黒字と強気の予想を行っている。

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国民生活センターの商先関連相談、昨年度は前の年の4割に

先物振興協会の内訳集計、2011年度は1,508件
海先関連も5年前の調査開始以来初の減少に


日本商品先物振興協会は22日、国民生活センターに寄せられた2011年度(平成23)の商品デリバティブ取引関連の相談件数において協会独自による内訳集計により前年度比6割減の1,508件だったと発表した。

このうち5年前から調査を始めた海外商品先物については、相談件数が1,508件中638件と前年度より7割減少し、開始以来初めて減少に転じた。

先物協会ではこれらの結果について、海外先物取引及び店頭商品デリバティブ取引業者を国内商品先物取引と同様に許可制とすることを定めた商品先物取引法施行(2011.1.1)の効果と見ている。

なお海外先物以外の相談件数における内訳は、国内商品先物取引が1,508件中298件、区分指定できない相談が572件としている。

海外業者の望む国内商品市場における条件整備の難しさ

毎月の苦情件数を指折り数える虚しさと過剰規制に慣れる危うさも
ついにニューエッジまでもが国内撤退へ、建玉争奪戦の様相も


7月のFIAジャパンカンファレンスでは、日銀の白川方明総裁が基調講演で商品先物取引に一定の理解を示しているような発言を連発した。「先物市場の知識が国民に根付いていないのは残念なこと」「洗練された市場が発展してきた事実を辿れば先物取引繁栄への期待が的外れではないことを示唆する」など好意的だ。

もちろん側近が作り上げた原稿だろうが内容については概ね業界の現状について正確な理解を持っているとみられ、日銀サイドに当業界への正しい知識がある人間がいるという事実を確認できたことは有意義だったと言えるかも知れない。だが投機玉のみでは市場の拡大に限界があり、実需筋の市場参加をいかに増やすかが重要であるとの見解も示し、投機の意義を広く啓蒙することと同時に「なぜ先物取引が経済にとって欠くべき仕組みであるかをしっかりと説明しなければならない」と語っている。

業界側からみれば「そんな説明は飽きるほどやっている」と言いたくなるだろうが、苦情件数の減少をセットにしなければ耳を傾けてもらえず、役所もいい顔をしないという向い風の状況は中々変わってくれない。その苦情件数は7月で4件と規模や職種で考えれば無いも同然の数だと思われるが、2009年(平成21)7月の商品取引所法改正案に係る経産委員会で二階俊博大臣(当時)が不招請勧誘禁止の導入について「(苦情が)限りなくゼロに近づきつつあるか否かで判断したい」とした発言が、いつの間にか“1件でも苦情があれば不招請継続”という不文律に拡大されすり変わっている。

しかも消費者側だけの意見が正論として採用され、取引業者には弁解の余地も与えられないという欠席裁判さながらの不平等な状況下においての苦情カウントである。本当に訴えるべきは毎月の苦情件数が2件だ3件だと片指折って前月比どうこうという小学校低学年の1ケタ加減算の結果ではなく、過剰とも思われる規制の適正な運用を求める業界の声ではないだろうか。


昨年の今日8月7日は、コメ先物取引開始の前日だった。何とかこの大型商品を上昇ラインの軌道に乗せ、業界復興の足掛かりとしたいと誰もが願っていた。「コメ先物の正否はスタートダッシュで決まる」とは業界共通の認識だったが、残念ながら離陸前にあえなく失速する結果となった。白川総裁のいう実需筋である生産者団体は軒並みそっぽを向いたままで、先物取引の有用性については「百害あって一利なし」という一糸乱れぬ共通認識で一致している。産構審における消費者団体委員同様にいくら言ってもまったく耳を貸さず、過去をほじくりかえしては今も脈々と客殺しの伝統がはびこる悪しき業界だと口角泡を飛ばしてくる。

それなら農水省が間に入ってパイプの役割を果たしてくれれば事態は多少変わってくるかも知れないが、「会社によってやり方は様々だから」と殊更に取引所の独立性を強調してくる。東工取も東穀取も株式会社に移行したことで行政の不備を株式会社の経営方針に覆い被せるという意味において、主務省に格好の言い訳材料を与えてしまった。

そうこうしているうちに国内市場からは次々と商社が離れ、農産物でも当業者が離れ、商先業者も資産があるうちにとオーナーが次々に廃業を決め、市場規模が急速に萎んだ。さらにここにきてニューエッジジャパン証券の国内拠点引き上げが決まり、事情に詳しい関係者の話では上海市場にシフトするという。同社は毎月の出来高でダントツの多さを見せているが、半分がファンド系の大口注文で残りが国内からの注文である。これを狙って国内業者による争奪戦が始まるという動きも予想されないわけではないが、市場の拡大には何ら寄与するものではない。

FIAイベントでは海外業者の国内商品先物市場参入において「条件が整う時を待っている」という意見も聞かれたが、実はそれが最も難しいことだということは、業界人ならみんな知っている。“条件”とはつまり規制の一元化を指すものであり、同一口座、同一清算機関、同一形式の帳票などすべて規制側の事情が絡んでおり、白川総裁のいう「経済にとって欠くべき仕組み」とは別次元の話だからである。

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