2012年07月先 物 新 報

先 物 新 報

商品先物業界の専門紙記者が、業界ニュースを中心に関連情報をお届けします。
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東工取、定例の記者会見

江崎格社長、FIA会議の感想など語る

東京工業品取引所の江崎格社長は27日、定例の記者会見で25、26日にかけて行われたFIA日本会議に出席した感想などを述べた。

強く印象に残ったイベントとして、日銀の白川方明総裁や松下忠洋金融大臣の講演をあげ、総合取引所についての見解として「まずは企業価値の向上につながるかどうか」と従来通りの考えを再度示した。

初日の25日は15時45分の開始で、東工取は東京証券取引所、大阪証券取引所、東京金融取引所とともにプレゼンテーションを行い、小野里光博執行役が日本における商品先物市場の現状や東工取の取り組みなどを発表した。

同日は松下忠洋金融大臣も講演し、総合取引所についての政府見解などを語った。

2日目の26日ははじめに日銀の白川方明総裁が基調講演を行い、経済情勢などを総括した。

その後上記の4取引所首脳が一堂に会し、取引所統合など今後の方針に沿った国際戦略などを示した。なお東証の斉藤惇社長は急遽国会の証人喚問で欠席し、代理で宮原幸一郎常務執行役が務めた。

その後金融庁総務企画局の池田唯一審議官が「総合取引所に関する背景と規制当局の協力」と題し、経緯などを紹介した。

昼食をはさみ、午後は金融システムや取引業者などブローカーが中心となりユーロ危機や清算機能など具体事項をもとにあるべき方向性を語り合った。

なお、FIAイベントの詳細は後日別に掲載します。

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投資番組「GOLDEN GOLD REPORT」、26日に放映

金市場の動向、WGCの専門家が解説

ワールドインベスターズTVは一般投資家を対象とするインターネットテレビ番組「GOLDEN GOLD REPORT」を全4回にわたり放送するが、初回は26日19時から30分間となる。

世界的な金の調査機関であるワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)日本代表の森田隆大氏が、WGC四半期レポートに沿って金の世界動向と日本市場の現状などを解説する。
このほか金に関係する著名人を交えたトークセッションも予定している。

番組は全4回の放送で、WGCの四半期レポート発表後に行うが、2回目以降の放送日は未定。
当日のライブ放送に加えオンデマンドによる再放送も行う。

詳細は専用サイト(http://www.worldinvestors.tv/guide/GGR.pdf)へ。

投資顧問業者による商品先物市場での運用状況

投資顧問7社、6月末運用額13.3%減の475億円

日本商品投資顧問業協会は19日、6月末における会員7社の運用資産高をまとめた。それによると3月末の前回調査比13.3%減の475億5,700万円となり、金額ベースで約73億円減少した。

内訳を見ると「ファンドに係る一任契約によるもの」が同16.4%減の377億8,500万円、一方、「ファンド以外の一任契約によるもの」は同1.2%増の97億7,200万円で微増となった。

顧客別では「商品ファンド」が同4.7%減の43億5,800万円、「その他ファンド」では国内関連が同20.3%減の232億9,400万円と約60億円の減少、海外関連も同11.1%減の101億3,400万円となった。また「ファンド以外」では国内顧客関連が同1.2%増の4億3,700万円、海外顧客関連も同1.2%増の93億3,500万円となった。

運用手法別ではトレンドフォローが同0.6%減の71億8,600万円、アービトラージが同4.7%減の100億9,300万円で、両者併用がなし。この他主にインデックス運用が同21.8%減の250億200万円、デイトレードが同11.8%増の37億9,000万円等となった。

先物協会、市場戦略統合委の新メンバー

初会合は24日、産構審報告書や農産物市場を議論

日本商品先物振興協会は19日の理事会で、広報戦略等を具体的に議論する下部組織の市場戦略統合委員会について、新メンバーを決めた。同協会は会員ほとんどが商品先物取引業者で構成される振興団体で、委員も9人すべて会員から選任された。

委員長はドットコモディティの車田直昭会長が再任したが、新たに豊商事の篠塚幸治常務、岡安商事の姫野健一社長、エース交易の山﨑勝重執行役員の3人が加わった。

これにより市場戦略統合委のメンバーは

【委員長】
車田直昭(ドットコモディティ会長)
【常任委員】
青山秀世(日本ユニコム社長)
井上成也(岡地常務)
篠塚幸治(豊商事常務)
土居章(第一商品社長)
姫野健一(岡安商事社長)
松井政彦(岡藤商事取締役)
水野慎次郎(カネツ商事取締役)
山﨑勝重(エース交易執行役員)

となった。
新メンバーによる初会合は24日に行われ、先月の産構審商品先物取引分科会で示された報告書に対する取組みや、東京穀物商品取引所が東京工業品取引所と関西商品取引所に移管する農産物市場の振興策等を議論する。

今こそ看板商品“金”に注力すべき

市場の信頼性向上は鉄壁の実物資産GOLDから

東京穀物商品取引所の農産物市場移管により、受け手の東京工業品取引所が「東京商品取引所」に商号変更するのは7カ月後の来年2月12日を予定している。

東工取は、農産品4商品を受入れたからには流動性の活性化に注力するのは当然であり、江崎格社長が常々口にする「企業価値の向上」に照らせば東工取も受入れた以上、農産物の将来的な発展を見込んでいるものと思われる。
実際米国の農産物先物ではシカゴの大豆やトウモロコシに投機マネーが集中し高騰しており、追い風の状態であるともいえそうだ。

だが国内市場の現実をみると、金と金ミニ2商品だけで出来高全体の過半数を占める状態が今年になってずっと続いている。これは金以外の市場が急速に萎んだことで相対的にシェアが高まった影響もあるだろうが、やはり金融資産として金の存在が際立って大きいという特性も無視することはできない。

特にユーロをはじめ通貨に対する信頼が揺らぎ、自国の年金制度も暗い見通しという現状下では、鉄壁の実物資産と呼べる金は日々その重要性を増している。

かつて商品先物の象徴は小豆だった。赤いダイヤに例えられ、投機を望む人々を魅了した。今、商品先物の金看板はその名のとおり金に移った。小豆時代との違いは、攻め一本槍ではなく守りの意識を持ちながら長期視点で投資する参加者が多くなったことだろう。

農産物市場も移管したところで恐らく短期間での復活は見込薄で、長期視点で臨まなければすぐに立ち行かなくなるはずである。だからこそ、農産物のマイナスをカバーし収益の柱となる存在が必要で、それは現状で金しか考えられない。


一般的に、何事においても一極集中の方向性にはどこか非難めいた視点が含まれていることが多い。先般、日本商品先物振興協会の主催で行われた会員代表者に向けた農産物市場移管に関する説明会でも、岡地和道会長は「バランスよく活性化を図りたい」と抱負を述べたが、このような視点を広げた総括的なコメントの根底には、今後様々な対策を講じる上で選択肢を狭めたくないという意識がどこかで作用しているのではないかと感じられる。

これはまさにリスクヘッジを基底とした考えで、組織のトップには必須とされる見方であるが、業界の現状を考えれば一極集中の覚悟も備えておくべき時にきている。退路を断った行動は、ひとつひとつの重みが顕著に増してくるが、同時にリスクも高じてくる。

極論だが、金市場だけを維持し他商品をすべて休止にした場合、営業からシステムから何でも一極集中の状態となり、失敗すれば壊滅だが復興までの距離も最短となる。最悪なパターンは市場が少しずつ沈下していき、座して死を待つ他ない状況に追い込まれることだ。
「衣食足りて礼節を知る」ではないが、安定した経営なくして顧客の資産運用という大儀は果たせず、業者の安定なくして取引所は成り立たない。

金でもコメでも、どのような復興策でも、もはや業者単独で行ったところで市場への効果は薄く、業者全体でもそれは困難である。取引所が率先し、業者が一丸となって協力するという体制で、今こそ業界をあげて事に当たらなければいけない時であろう。

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