2012年05月先 物 新 報

先 物 新 報

商品先物業界の専門紙記者が、業界ニュースを中心に関連情報をお届けします。
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産構審第5回、不招請議論平行続く

意見交換も過去4回の延長線、目新しいアイデア出ず

農林水産省及び経済産業省は24日、経産省本館で産業構造審議会商品先物取引分科会を開催した。今まで不招請勧誘の是非に終始した感のあるメンバー間の意見交換に幅を持たせるため、今回は前半部分を商品先物市場の発展策に絞った意見を募ることにし、後半を勧誘規制の扱いに関する意見交換の場とした。

また配布資料は事務局から
(1)商品先物取引の活性化となりうる項目を整理した審議用資料
(2)勧誘規制の扱いについて分科会での議論等をまとめた検討メモ、
また日本商品先物取引協会から
(3)日商協の重点的な取組み
と3点用意された。この資料と今までの議論をもとに意見交換が行われたが、委員各自が過去4回の自説をより細かく、もしくは繰返して述べたに過ぎず新しいアイデアや斬新な意見はほとんど出なかった。

主務省側も意見交換後にコメントした経産省の豊永厚志商務流通審議官が、市場活性化について「常時何かがあれば見直すことを忘れてはいけない」と述べたが、中長期的な視点に立った考えで、現在までのところ流動性向上について明確にやるべきことや時期等詳細を示したものはない。

なお次回の開催は6月18日の16時から18時を予定しており、最終の取りまとめとなる。

上記(1)の資料において、活性化策の筆頭は新規商品の上場となっている。実際意見交換でも佐藤広宣委員(カーギルジャパン穀物油脂本部穀物グループ総括部長)が「過去の商品も再上場を含め検討すべき」との考えを述べ、農産物商社の立場から環太平洋経済連携協定(TPP)の可能性を踏まえた準備が重要との見方を示している。

また細井裕嗣委員(JX日鉱日石エネルギー執行役員需給本部副本部長)もエネルギー商品の多くがドル建てで行われている点に触れ、東工取の原油について「円建てでは違和感があり、外貨建て取引はぜひ実現してほしい」と海外ルールに合わせるべきとの観点で意見を述べた。

一方江崎格委員(東工取社長)は新規商品について一応は前向きな姿勢を見せながらも「市場そのものが弱体化しており、出来高の分散化は危険」と市場参加者の伸びがしばらくは期待できないという現状に沿った冷静な見方をしている。

このほか資料(1)では個人投資家の市場誘致に関してオプション取引、金の限日取引、貴金属の指数取引等を検討項目としており、さらに当業者向けに現物受渡制度の柔軟化、取引時間の更なる延長についても言及している。多様な取引参加者の拡大及び国際化への対応策でも現状整理に終始した内容で、特に目新しい項目はなかった。

資料(2)は不招請勧誘禁止の是非について、賛成反対両サイドからの意見を集約して列挙した形になっており、不招請不要論は勧誘規制の現状と営業の自由とのバランスに立ったもの、相談件数等の減少を受けた実態改善を踏まえたものの2点に集約されている。一方規制強化賛成派は不招請勧誘禁止の導入があって市場環境の改善が見られたという不招請絶対論に根ざした考えを主軸に据えており、今後も消費者被害を予防するために絶対必要と言い切っている。

これに関する意見交換は賛成反対どこまでも平行線を辿っており、分科会では同じ委員が同じ主張を毎回毎回繰り返すだけ。ここでも詳述は省くが、はっきり言って税金の無駄である。

ただ、不招請勧誘の扱いがどうなるかによって市場流動性に影響が出ることは間違いなく、最もよくないのは現状の宙ぶらりんな状態をずるずる継続して市場を緩やかに滅亡に導くことである。受託取引業者にとって拷問に等しい行為で、いっそ商品先物市場の不拡大策を国策として掲げてくれた方が、業者もきっぱりと諦めがつく。商品先物に関わる人材をすべて新たな事業の推進部隊にまわせる。それをなまじ「健全な発展」という美名を用いるから業者側も社会的必要性にビジネスの意義を見い出し、風向きが変わる日を待ちわびつつ未だに多くの人材を商品先物業務に充てている。

本当に市場発展を望むのであれば、「個人の参加者を増やす→大口投機マネーの流入」という図式を支柱に据えるしかない。もっとも個人のマネーが十分に市場に入れば、大口の投機マネーは自然に入ってくる。この段階で当業者に関する制度整備をしても遅くはないし、むしろ現在の市場にいきなり当業者を呼び込もうとするのは危険でさえある。

次回の分科会は取りまとめとして行われるが、中長期的な視点など今は考える時ではないだろう。今年の残り半年でやるべきこと、目標枚数をはっきり掲げ、もし達成できなかった場合、再度分科会を開き「なぜ達成できなかったのか、次の半年間でどうすべきか」を委員各自に発表してもらう。その際また目標枚数を設定し、半年後に再度同じことをやる。これを延々繰り返すことによって問題点がはっきりあぶりだされ、必然的に実践的な対応策が生まれてくる。

この過程で論点がずれているような委員はどんどん交代させていけばいい。こうすれば単なる机上の空論に終始することなく、分科会の意義が増してくるのではないだろうか。

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《速報》東工取が「東京商品取引所」に商号変更へ

農産物4商品の受け入れを機関決定
今秋にも主務省に農産物市場開設申請へ


東京工業品取引所は30日、臨時の取締役会を開催し東京穀物商品取引所から打診されていた農産物市場のトウモロコシ、大豆、小豆、粗糖の4商品についての受け入れを正式に決めた。

また農産物先物を取り扱うため現在の商号ではふさわしくないとして、来年2月を予定している農産物先物の取引開始に合わせて社名を「東京商品取引所」に変更する方針を示した。
同案は6月20日に行われる株主総会に付議する。

当日記者会見に臨んだ江崎恪社長は、農産物の取り扱いについて採算性や社会的意義などを総合的に見極めた上で企業価値の向上に繋がると判断したと、受け入れについての背景を述べた。さらに抱負について聞かれ、
「多様な参加者の呼び込みをはかり、流動性の向上に繋げたい」と語った。
また関西商品取引所に移管されるコメについては「はじめから要請がなかったから検討しなかった」とコメを受け入れなかった理由を明らかにした。

なお農産物市場の開設は主務省の認可が必要で、東工取は今秋にも申請を行う予定。
また市場開設に当たり東穀取から一定数の人員を受け入れる見通しで、市場の新設に該当するため、参加者は新たな資格取得が必要になる。

《速報》東穀取、来年夏に解散へ

東工取にトウモロコシ・大豆・小豆・粗糖、関西取にコメ
来年2月に建玉を同時移管、その後翌3月に解散決議を


東京穀物商品取引所は29日、農産物市場の移管について東京工業品取引所にトウモロコシ、大豆、小豆、粗糖を、また関西商品取引所に試験上場中のコメをそれぞれ建玉移管する方向で調整がまとまり、東穀取は早ければ来年夏にも解散する方針を固めた。本日行われた臨時取締役会後の記者会見で、渡辺好明社長が明らかにした。

建玉移管は東工取、関西取とも同時期に行う予定で、2013年(平成25)2月の3連休で移管作業を済ませ、翌12日から移管先で取引を開始できるよう今後調整を進める。移管先の両取引所とも、近く正式に受け入れを決定する見通し。

また渡辺社長は6月22日の株主総会後に開催される取締役会で代表権を返上し取締役となる予定。後任の社長は畑野敬司常務が昇格するものとみられる。

さらに東穀取は来年2月の建玉移管後、翌3月に解散決議の総会を招集し、決議後は主務省である農林水産省の認可を経て会社法及び商品先物取引法に則り清算業務に入る。スムーズに進めば解散決議から3~4カ月後、つまり来年夏頃にも解散に至るものとみられる。

上場5社の2012年3月期決算、3社が黒字に

平均営業収益横ばいも、各社とも経営環境の立て直し急ぐ

商品先物取引業者における株式公開5社の2012年(平成24)3月期決算(11年4月1日〜12年3月31日)が15日に出揃った。それによると5社中2社が前年度比10%を超える増収となり、経常利益及び当期純利益については3社が黒字となった。

11年度は出来高合計が3,290万枚(前年度比3.5%増)と8期ぶりに前年度を上回った。しかし商品別にみると、出来高の上位順に金が1,613万枚(市場シェア49%)と全体のほぼ過半数を占め、金ミニ360万枚(同11%)、白金333万枚(同10%)と上位3商品で全体の70%に達するという非常にいびつな結果となった。

昨年度はユニコムグループホールディングスが4月に上場維持コストの増加を理由に上場を廃止したが、今期はエース交易が持株会社制への移行を表明し、準備を進めている。


上場5社の平均営業収益は48億100万円と、前年同期比0.2%減でほぼ横ばい、手数料収入も平均で42億2,100万円(同1.5%減)と微減で推移した。

5社のうち営業収益が50億7,300万円(同22.8%減)ともっとも減少幅が大きかった岡藤HDは、手数料収入が44億1,900万円(同24.6%減)、売買損益が3億4,300万円(同54.6%増)となった。同社は経費削減に努めた結果、営業費用において63億500万円(同14.9%減)と大幅に減らしたが、12億3,100万円の営業損失が発生し、経常損失12億3,400万円、当期純損失25億7,900万円に繋がった。前回予想では10億200万円の当期純損失を見込んでいたが、第4四半期連結会計期間における投資損失引当金繰入額9億2,500万円を特別損失として計上するなどして、損失が膨らんだ。商品先物関連をみると手数料収入は42億6,300万円(同26.7%減)で、売買損益が2億1,300万円となっている。キャッシュフローをみると期末残高は43億2,700万円となっており、詳細は営業活動7億1,200万円、投資活動は固定資産の売却等で3億6,200万円、財務活動181億3,900万円の短期借入れや返済等で9億4,200万円。

一方、業績が好調な第一商品は営業収益が80億5,500万円(同14.7%増)と2桁の伸びを示した。商品先物関連の手数料収入は73億8,500万円で、このうち98.7%に相当する72億9,200万円が貴金属によるもの。キャッシュフローも期末残高が40億3,400万円で、詳細は営業活動15億700万円と前年同期比で倍増、投資活動3,600万円のマイナス、財務活動1億7,900万円のマイナスとなった。営業の伸びと積極投資によるマイナス、潤沢な資金による財務のマイナスと、理想的な経営状況になっている。

今回黒字化したエース交易も、営業収益は41億4,400万円(同0.2%減)と横ばいだが、経常利益、当期純利益ともプラスとなった。期間中6月末に店頭FXのサービスを中止するなど立て直しを図り、キャッシュフローは期末残高が11億1,900万円。詳細は営業活動が業績回復により9億8,400万円、投資活動が有価証券の取得等で8,000万円のマイナス、財務活動は借入金の返済等で11億3,600万円のマイナスと全体に回復傾向の流れ。

豊商事は営業収益が48億7,500万円(同11.4%増)と第一商品に次ぐ伸びを示したが、キャッシュフローをみると営業活動が預り証拠金等の減少で200万円、投資活動が主に有価証券の売却により5,300万円、財務活動は短期借入金の返済等で2,600万円のマイナスと財務体質改善の最中という見方ができる。なお、期末残高は51億6,600万円。

最後にフジトミは営業収益が18億6,000万円(同2.0%減)と減少したが、経常、最終段階で赤字幅をほぼ半減させた。しかしキャッシュフローをみると期末残高で8億5,500万円、詳細は営業活動が税金等調整前の当期純損失4億6,100万円等で6億200万円のマイナス、投資活動は10億5,000万円の定期預金の払戻し等で12億5,100万円、財務活動は借入金収入や配当金等を相殺しゼロとなっており、厳しい経営状況が続いている。

2011kessan

フィリップ証券が東工取の受託参加者に

主要市場の受託業者が21社に

東京工業品取引所は24日、フィリップ証券(本社・東京都中央区日本橋兜町4-2)のゴム、貴金属、石油などの各市場における受託取引の参加者資格取得を承認した。

同社は日本、香港、シンガポール、タイなどアジア株や内外株価指数先物、FXなどデリバティブを総合的に扱うフィリッピキャピタルのグループに属している。

これにより東工取各市場における取引参加者数は、
・貴金属55(21)
・ゴム38(21)
・石油56(21)
・中京石油41(18)
・アルミニウム24(13)
・日経東工取商品指数26(16)
※カッコ内は受託取引参加者数

となった。

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