2012年04月先 物 新 報

先 物 新 報

商品先物業界の専門紙記者が、業界ニュースを中心に関連情報をお届けします。
TOP > ARCHIVE - 2012年04月

産構審第4回、不招請勧誘の扱いが焦点に

体制派と反体制派、意見真っ二つでまとまらず
不招請勧誘トラブルゼロ、主務省が見解を表明


農林水産省及び経済産業省は17日、経産省本館で産業構造審議会第4回商品先物取引分科会を開催した。

商品市場の活性化・健全な発展の方策について議論が行われ、冒頭で日弁連消費者問題対策委員の大田清則委員が「不招請勧誘規制がなぜ必要か」と題した資料をもとに、過去のトラブル状況や不招請勧誘禁止の導入に至った経緯を説明した。

続いて東工取社長の江崎恪委員が「日本の商品先物市場の活性化に向けて」と題した資料で、国内市場の問題点を指摘し、さらに近年の商品取引所のビジネスモデルや東工取の取組みについて紹介した。

さらに仲介業者として相対取引(OTC)市場を利用するギンガ・ペトロリアム(本社・シンガポール)の新村博道社長がOTC業者の立場から、コストと時間をかけずに試験上場を可能とする制度やクリアリング(清算)機能の強化など、取引所取引の活性化に必要な施策を示した。

その後は意見交換が行われ、最後に主務省から2011年(平成23)に導入された原則不招請勧誘禁止に関連したトラブルについて、「まったくなかった」とする見解を示した。不招請勧誘禁止措置に該当しない損失限定取引「スマートCX」については、5月と9月にトラブルが1件ずつ認められたとしている。

次回の開催は5月下旬を予定している。(以上17日付記事より、以下付け足し)

第4回会合も、議題は前回に続き「商品市場の活性化・健全な発展の方法について」だったが、蓋を開けてみれば結局不招請勧誘の議論だけに終始した形となった。冒頭で不招請勧誘禁止の必要性を訴えた日弁連の大田委員をはじめ、主婦連事務局長の佐野真里子委員、消費者団体協会理事の唯根妙子委員とも鉄壁の規制強化主義で、取引業者を半ば犯罪者集団と決めてかかっている。

これに対し業界側は主に日商協会長の荒井史男委員、保護基金理事長の多々良實夫委員、先物協会長の岡地和道委員が現在のトラブル減少に係る取組みを紹介し、行き過ぎた規制はますます市場機能の低下を促進すると危機感を強調している。

興味深いのは外務員経験もあるファイナンシャルプランナーの三次理加委員が不招請勧誘の禁止に賛成していることだが、在籍は数年前であっても業界の内部を経験した上でコメントしているので説得力がある。

いずれにしても不招請勧誘に焦点を当てると、いつまで経ってもこれらの硬直化した議論が繰返されるだけで、他の重要な案件にまで時間が回らない恐れがある。というより実際に回っていないため、この数年間市場規模が下降線を辿り続けたといっていいだろう。

重要なことは出来高の回復なのか、トラブル減少なのか、海外資本の流入なのか、取引所の合併なのか、外務員数の増加なのか、優先順位を的確に定め、それに沿った形で業界の舵取りをするのが主務省の役割であろう。“すべてを同時に”やろうとしたところに、まず大きな矛盾が生じているのである。

大和総研副理事長の川村雄介委員が「商先業者は今でも悪質業者とみなすべきか」と質問していたが、国が認可した以上、無許可のモグリ業者は論外として社会に必要な存在と国が保証したことに他ならない。国には市場を復興させる責任がある。

スポンサーサイト



主務省、商先モグリ業者9社を公表

東京3社・大阪6社、3月の3社と合せ今年12社に

農水経産両主務省は20日、無許可又は無登録で商品先物取引業又は商品先物取引仲介業を行っていた業者を新たに9社公表した(下記表参照)。所在は東京が3社で大阪が6社。

主務省は2011年(平成23)1月1日の商品先物取引法施行後、許可なく商先ビジネスを行っていた業者を公表しており、昨年8月に10社、今年3月に3社を公表している。

なお、掲載業者については主務省が無許可(無登録)営業を行っていることが確認された社に限っており、掲載社以外でも無許可営業を行っている可能性があるとして注意を促している。さらに連絡先や所在地が不明で警告書を発出できない場合や、表の代表者名や住所についても当該業者の交付書類に記載されていたものを引用しているため、現在の実態を反映していない可能性があるとしている。

moguri2012

産構審商品先物分科会を有意義な議論の場に

真に必要な委員、不要な存在とは
5年前から変わらぬ論調、議論の形骸化防止を


商品先物市場の活性化策を議論する産業構造審議会商品先物取引分科会も、これまでに4回の会合を終えた。

幅広い立場からなるメンバーが様々な意見を出し、これに沿って事務局がたたき台を作るなど、一応は振興に向け着々と進展しているようにみえる。しかし、根本的に果たしてこれらは有益な議論であるのだろうか?

そもそも“リスクヘッジや価格維持形成の場として重要な産業インフラ”との前提で語られるはずの商品先物市場が、意見交換の場では不招請勧誘の禁止を焦点とする体制派と反体制派との論争に終始している。

3月28日の第3回会合で出された資料「商品先物市場の活性化・健全な発展に向けた方策について」はこれまでの議論等を踏まえたたたき台であるが、発展の方策をみても“取引所における積極的経営”、“市場環境の整備”、“多様な取引参加者の拡大”と美辞麗句のような主題が並んでいるが、残念ながら実現性に乏しい内容であることは詳細を読まずともわかる。

もちろんこれらに論理的な破綻があるわけではなく、むしろ完全武装された文句の付けどころがない筋書きといってもいい。だが、不成功を予測する根拠は歴史が物語っている。以下で詳細を記すが、今のスタイルで継続する限り、産構審は“形骸化された不毛な主義主張独演会”と言わざるを得ない。

筆者の手元には2007年(平成19)の資料があるが、同年3月に法改正(同16)後の現状を報告する目的で行われた産構審で出された意見を読み返すと、「早急に流動性を回復させないと日本の地位が弱体化する」、「インフラ整備を急がなければ東京市場はローカル市場に成り下がる」、「金融商品を合せた複合的取引の実施を」等、今回の産構審と方向性や内容とも大差がないものである。

当時の委員構成も取引所トップ、業界団体トップ、商社担当者、大学教授、消費者団体等現在と人は変わっても肩書きはほとんど変わっていない。もちろん論調も、例えば日弁連は「洗練された投資家(プロ)を中心に市場発展を促すべき」、消費者団体は「団塊世代に被害が及ばないか心配」等現在もまったく主軸がぶれておらず、主婦連は「高齢者被害があるから資産運用としての機能をやめたらどうか」とまで言い切っている。

これ以降2008年(同20)にも商品先物取引法導入に向けた産構審が数度にわたり開かれたが、これらの意見交換についてはわざわざ引用するまでもないだろう。

つまり、何も変わっていないのである。少なくとも07年の会合以後5年間は同じ議論を繰り返しているだけとしか感じられない。世界的にみても現在のデリバティブに関する環境は日本市場にとって好転しないばかりか、むしろ悪くなっている。こんな状況下で過去の再放送のような議論を聞かされたら、市場の発展を思い描けという方が無理ではないだろうか。

ではどうしたら産構審を実りある実践的な会合に変えることができるのだろうか。まずは主婦連や消費者団体等、ハナから市場に否定的な見解を持つ委員を一斉に外すことだろう。商品先物取引分科会はあくまで市場の発展を議論する場であり、市場の存在の是非を語る場ではないのである。

先物市場にとってプラス見解の委員とマイナスの委員を中立的な観点で揃えることが公平だとするおかしな平等主義は、すぐに棄てるべきであろう。

次に座長をはじめ学者委員もこぞって不要と言えるだろう。学説の正否はともかく、産構審で決めた方針がうまくいかなくても責任をまったく追究されない立場にあるということが問題といっていい。

少なくとも取引所を含む業界関係者なら復興策と利害関係があり、うまくいかなければ我が身に大きなダメージを受ける。学者委員にはそうした緊張感が皆無であり、そもそも強いる方に無理がある。東工取の取締役を兼任する学者委員もいるが、矢面に立って糾弾される立場にはない。

商品先物取引分科会にとって理想的な委員構成とは、実際に市場を利用している商社委員、業界団体首脳、取引所トップに加え、取引業者の管理部員、外務員、その他業界団体や取引所でも実務に携る委員も絶対に必要な存在であろう。こうしたメンバーが言いたいことが言えるオープンな雰囲気で議論できる場が、今本当に求められているのではないだろうか。

《速報》東穀取、取締役会後の記者会見

農産物市場移管、事務的協議中

東京穀物商品取引所の渡辺好明社長は17日の取締役会後の記者会見で、東京工業品取引所と関西商品取引所に打診している農産物市場の移管について、「事務的に協議中」だと進捗状況を説明した。

同氏は「大変な作業になることは間違いない」との見通しを示し、いくつかの仮説に基づいてそれぞれの可能性を探っている段階だと述べた。

また取引所の組織体をどうするかについては、両取引所の返事を待って6月末の株主総会までには決めたいとしている。

《速報》産構審商取分科会第4回会合

不招請勧誘トラブルゼロ、主務省が見解表明
OTC業者から意見徴収も


農林水産省及び経済産業省は17日、経産省本館で産業構造審議会第4回商品先物取引分科会を開催した。

商品市場の活性化・健全な発展の方策について議論が行われ、冒頭で日弁連消費者問題対策委員の大田清則委員が「不招請勧誘規制がなぜ必要か」と題した資料をもとに、過去のトラブル状況や不招請勧誘禁止の導入に至った経緯を説明した。

続いて東工取社長の江崎恪委員が「日本の商品先物市場の活性化に向けて」と題した資料で、国内市場の問題点を指摘し、さらに近年の商品取引所のビジネスモデルや東工取の取組みについて紹介した。

さらに仲介業者として相対取引(OTC)市場を利用するギンガ・ペトロリアム(本社・シンガポール)の新村博道社長がOTC業者の立場から、コストと時間をかけずに試験上場を可能とする制度やクリアリング(清算)機能の強化など、取引所取引の活性化に必要な施策を示した。

その後は意見交換が行われ、最後に主務省から2011年(平成23)に導入された原則不招請勧誘禁止に関連したトラブルについて、「まったくなかった」とする見解を示した。不招請勧誘禁止措置に該当しない損失限定取引「スマートCX」については、5月と9月にトラブルが1件ずつ認められたとしている。

次回の開催日は調整中で、意見交換の詳細等は後日掲載する。

過去の記事 >>