2011年04月先 物 新 報

先 物 新 報

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総合取論議が停滞

震災の影響で進展せず、今後も不透明に

金融庁、経済産業省、農林水産省の3省庁で話を進めている総合取引所の設立について、議論が停滞していることが関係者の話で分かった。

3省庁とも関係部署の担当者が震災対応で別セクションに一時移動したり、他業務への対応に追われたりで、総合取引所論議は震災以降完全に停滞している様子。
総合取創設は民主党の政策でもあり、震災以降支持率が急落している事実からも、このまま話が宙に浮いたままとなる可能性も高い。

なお、12月に取りまとめた中間整理を下記に掲載する。現時点で時間的に遅れている部分もある。


【総合的な取引所検討チーム中間整理】

1.総合的な取引所(証券・金融・商品)を実現するとの共通認識の下に取組を推進する。
2.本件は次のスケジュールで推進する。
・平成25年の総合的な取引所の実現を目指して速やかに制度施策を実施する。
・そのため、全体としてできるだけ早く調整を開始し、関連する。法案については速やかに、遅くとも平成 24 年通常国会に提出できるよう、そのための準備を可及的速やかに進める。ただし、国際情勢に鑑み前倒して実現できるように努力する。
3. 総合的な取引所実現のための論点は以下の5点であることを確認する。
(1)取引所(システムを含む)について
(2)清算機関(決済を含む)について
(3)規制・監督について
(4)税制について(損益通算制度の導入、申告分離課税、総合課税などの課税方式の一元化を含む)
(5)更なる規制改革について

これらの論点について検討チームで議論したところ、結果は次の通りである。

論点1:取引所について
取引所の経営は、システム装置産業化しており、強固な経営基盤、高い国際的競争力を達成する必要がある。なお、取引所の統合等は民間の経営判断事項があることは前提としつつも、官民協議を通じてあるべき姿や施策について、
A案 共通認識を得る等、総合的な取引所を実現すべく3省庁で取り組むべき。アジアのメインマーケットを目指すのであれば取引所の集約・統合を促すことは避けられない。

B案 共通認識の醸成を図る等、総合的な取引所の実現を促すべく3省庁で取り組むべき。ただし、統合・再編について、取引所の経営判断に先立って、政府が特定の方向を議論することは適切でない。

との両方の意見があった。

論点2:清算機関について
証拠金の一元化により、投資家・利用者の資金効率を改善す3ることが必要。清算機関の統合・再編や連携、証拠金のリスク相殺機能の活用等の手法を用いて、商品等の特性に応じて証拠金の効率を改善するよう、清算機関の経営判断を求めていく。清算機関については、
A案 証券・金融・商品が一つの証拠金で取り扱えるよう集約・統合を促す。

B案 証券・金融・商品が一つの証拠金で取り扱えるよう促す。ただし、統合・再編について、清算機関の経営判断に先立って、政府が特定の方向を議論することは適切でない。

との両方の意見があった。

論点3:規制・監督について
(1)内外のプロ投資家、機関投資家の参入意欲を高める。
(2)取引所の総合化を実現する。
(3)産業政策をきちんと反映させる。
との基本的考え方で臨む。
規制・監督の一元化については、以下の意見があった。
A案 民主党政策集INDEX2009も踏まえ、独立性が強く、強力な権限を有し、かつ金融当局と現物所管官庁の人材を結集し、証券・金融、商品等の幅広い金融商品取引を一括して監視・監督する「金融商品取引監視委員会」を創設し、監督(清算機関を含む。)を一元化する。その際、金融商品取引監視委員会と現物所管官庁が十分な相互連携を確保し、現物の観点から問題がある場合には、適切な措置を執らせることができるようにするなど、責任を果たす制度的枠組みを設ける。金融商品取引監視委員会創設までの間は、各取引所の監督は、現在の監督官庁が担う。

B案 民主党成長戦略・経済対策プロジェクトチームによる「監督体制の金融当局への一元化」の提言も踏まえ、取引所・業者・清算機関の規制を金融商品取引法に、それらの監督を金融庁に、それぞれ一元化する必要がある。その際、
(1)商品先物の上場審査・市場管理・現物受渡しについて、産業政策の観点や現物市場との連動に留意し、現物所管当局との情報共有や協議による十分な相互連携を確保し、責任を果たす枠組みを設けるとともに、
(2)業者規制の一元化に当たっては、業者の実情や各金融商品・商品のそれぞれの経緯等を踏まえ、業者の健全性確保に係る十分な経過措置の整備や利用者保護を図ることとする。

C案 総合取引所創設に伴う規制・監督の一元化の後も、規制監督官庁と現物所管官庁が情報共有や協議を行う場を設け、現物の観点から問題ある場合には、適切な措置を執らせることができるようにするなど、十分な相互連携を確保し、責任を果たす枠組みを設ける。

論点4:税制について
総合的な取引所を魅力あるものとするためには、現物株と先物取引の損益通算の実現によって資金効率の向上を早期に図ることが重要。また、外国法人が高速な取引のため国内に設置するサーバーに関する税制についても、その適正化を図ることが重要。

論点5:更なる規制改革
総合的な取引所の活性化のためには、その他の規制についても必要に応じ、従来の考え方にとらわれない大胆な改革が必要。銀行等の商品先物取引への参加や、年金等による商品先物での資産運用の促進等についても、必要に応じて検討。
・これらの論点については、可能な限り方向性を一致させる必要があり、残された課題については、早急に政治決断し、方針を整理し明示する。
・これらの論点の具体的取組を進め方向性が一致したものを、パッケージとしてとりまとめ、至急、その中でできるものから実現する。

5つの論点の具体的内容については、関係者に伝えるとともに、競争力のある取引所のあり方など意見を聴く必要があるものも含まれる。そのため、
A案 早い時機に与党や民間事業者との意見交換を行う場を設けて、遅くとも6月までに方針を固める。

B案 早い時機にこの中間整理について与党や民間事業者(取引所、清算機関、業者、投資家等)との意見交換を行う場を設けて、1月中を目途に方針を固める。

との両方の意見があった。

今後早い時期に、総合的な取引所や清算機関のあるべき姿についても、国際競争に耐えうるという観点から関係者間で議論を深める。(以上)

東工取の3月売買高、海外委託が過去最高に

07年10月の記録を3年半ぶりに更新

東京工業品取引所は21日、3月中の海外からの委託売買高が130万4152枚となり、それまでの最高枚数だった2007年10月の111万4081枚を更新したと発表した。

100万枚を超えたのも07年10月以来で、東日本大震災発生による手じまい売りが増加した結果と見られる。

今年3月の東工取の売買高は633万8782枚で、海外からの委託売買高が占める割合は20.6%となった。

《速報》東穀取、取締役会後の記者会見

大震災がコメの上場に与える影響、「特になし」との考え

東京穀物商品取引所の渡辺好明社長は19日、取締役会後の記者会見で現在試験上場申請中のコメ先物について、東日本大震災が上場の可否に及ぼす影響を聞かれ「特に影響はない」との考えを示した。

同日は議決事項はなくすべて報告事項だったため、ほとんどの時間が記者の質問に対する回答となった。

コメ先物の商品設計で福島県産のコシヒカリが受渡協用品に設定されている点については、「放射性物質の被害にあったコメの割合は、日本全体の作付け面積で考えるとそれほど大きいものではない」として商品設計の変更等は行わない方針。

コメは法律に基づき3月25日から6月25日の間公示されており、農水省は遅くても公示後1カ月以内に可否を判断しなくてはならず、遅くても7月25日までに結果が示されるが、結果は6月下旬出るとの見方が大きい。

《速報》東工取、取締役会後の記者会見

TOCOM NEXTの振興策実施
最近の相場環境に対する見解示す


東京工業品取引所は19日、取締役会後の記者会見で来月2日から商品設計を変更して限月制とする日経・東工取商品指数(TOCOM NEXT)の振興策を発表した。

個人投資家をターゲットに専用ページを刷新するほか、5月中に「直接的な訴求効果を高める」(江崎格社長)として個人向けセミナーの開催、ウェブセミナーの内容を更新するなど個人の参加を呼び込む狙い。

参加業者向けには5月から7月にかけて月間売買枚数の上位者に報奨金を出すほか、営業支援物として金箔を施した4ギガのUSBメモリーを用意する。現在200本ほど発注しており、値段は1本9000円だという。このほかボリュームディスカウントも実施する。

また、最近の出来高状況について江崎社長は「4月に入って低調気味だが株式ほど大きく下落していない」と述べ、「海外の金高騰が支えになっているが、本来もう少し出来高が上がってもいい」と見解を示した。

元取引員の顧客に「損金取返します」と持ちかけ

日商協に相談寄せられ注意喚起

受託業務を廃止した商品取引員と取引をしていた委託者に対し「過去の損金を取り返す」といった内容の電話が最近発生している件について、日本商品先物取引協会は6日、ホームページ上で注意を呼びかけた。
http://www.nisshokyo.or.jp/cgi-bin/news.cgi?p=view&pb_id=146

協会相談センターによると、3月上旬に既に廃業した取引員の元委託者に対し、「過去の差引損金の一部または全額を取戻すことができる」などと持ちかけて、事前に現金を振り込ませようとする電話があったと立て続けに3件相談があったという。その後東日本大震災の影響か沈静化して上記に関する相談もなかったが、4月に入りまた1件(上記とは別業者)同様の相談が寄せられたため、日商協で注意喚起を促した。実際の被害については確認されていないという。

なお弁護士等の専門家でなければ、損金を取戻す等の他人の紛争解決に業として関与することは、法律で禁止されている。

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