2011年03月先 物 新 報

先 物 新 報

商品先物業界の専門紙記者が、業界ニュースを中心に関連情報をお届けします。
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取組高減少止まらず、新システム導入以降最低水準に

震災後の手じまい売りが影響、月前半から13万枚以上減る

国内商品先物取引の取組高減少に歯止めがかからない。30日の取組高は、東京工業品取引所が2009年5月7日から稼働した世界最高水準の導入後、最低枚数となる39万1975枚にまで落ち込んだ。

これは11日に発生した東日本大震災の影響で、手じまい売りが急増したためである。震災発生後も度重なる余震に福島の原発事故、計画停電の実施など日本全体に混乱が生じ不安感が蔓延している事態で、投機資金の引き上げが急速に進んでいる。

東工取が国際水準の機能を有する新取引システムを導入した当初は出来高の増加が期待されたが、稼働4日目にしてシステム障害が発生し、09年5月12日の11時35分から15時まで3時間半にわたり全商品が立会い停止となる事態が発生した。このときの建玉が39万4378枚と危機的な水準で、その後も長らく低水準での推移を繰り返した。

そうした中、関係者の地道な努力で少しずつじわじわと取組が盛り返し、昨年末あたりから国際商品の高騰も追い風になり、取組高は50万枚を突破するまでに回復した。今月4日には52万8221枚と、新システム導入以来最高枚数を記録していたが、震災ですべてが振り出しに戻った感がある。

今後はどこで下げ止まるか注視する必要があるが、日本の復興に併せる形で地道な啓蒙を繰り返すほかはないだろう。

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今JCCHが存在する意味

信用が先か、出来高増が先か

商品先物取引の清算機関である日本商品清算機構(JCCH)が、商品先物取引業者から1枚出来高ができるたびに受け取る清算手数料の値上げを見送った。3カ年の中期経営計画によると、当初の予定では現行の1枚当たり3円を4月から倍の6円に値上げする予定だったが、出来高低迷が長引き経営環境が極端に悪化している商品先物業者の状況をを考慮したもので、9月まで現行水準を維持し10月から5円に引き上げる。

JCCHの今年度収支予算は、主たる収入源である手数料収入が1億8400万円なのに対し、人件費や運営費などの支出は6億1000万円と本来大幅な赤字であるが、最終的に純利益が2億9500万円ほど上がるものと見込まれている。理由は商品先物業者が預け入れた取引証拠金の受け取り利息がおよそ9億円ほど発生するからである。

現在商品先物業者が顧客から預かった証拠金は、全額丸ごと清算機関(日本ではJCCH)に預け入れることが法律で決まっており、出来高に応じてJCCHが預かる預託額も増加していく。いかに出来高が減ったとはいえ、まだ1000億円を超える金額が銀行に預けられており、当然毎年膨大な利息が発生する。

これは法律で規定された制度だが、かつて業者が社内の他事業に転用したりするケースが見られたりしたため、また委託者保護が高らかに謳われるようになってきた時代背景もあり、こうした制度が確立されている。
しかし問題は赤字経営で苦しむ商品先物業者が預け入れた金で生まれた利息を、JCCHが独占していいのかということだ。

JCCHは当初の計画で、違約対策財源として40億円の積み上げ目標を設定していた。これは海外からの大口参加者を集めるためには、信用力の強化が不可欠との観点から言われたもので、平成20年に政府主導で立ち上がった「クリアリング機能の強化に対する研究会」で報告書に定められた数字である。JCCHの受け取り利息は、自社の収支バランスを調整した後、残りの全額を財源の積み立てに充てている。
当初は出来高が減少傾向にあったが、当時は市場環境がここまで悪化するとは想定されておらず、報告書は完全に実情から乖離した内容となっている。

もともとJCCHは平成17年に、国内初のアウトハウス型クリアリングハウス(清算機関)として創設された。アウトハウス型とは複数の取引所の清算・担保業務を併せ行う形態のことで、これに対するインハウス型とは個々の取引所が清算業務を兼ねる形態のことを指す。
JCCHの発足以前は、各取引所が清算業務を行っており、受け取り利息も取引所の収益となっていた。商品先物業者はJCCHのほかにも出来高が1枚できるごとに取引所にも定率参加料を払わなければならず、例えば東京工業品取引所の金は現在55円と決まっている。

出来高が年々右肩上がりだった2000年頃は、取引所も潤っていたため定率参加料(当時定率会費)を受け取るのは12月までで、翌1月から3月までは無料とするようなサービスも行っていた。取引所が株式会社化する前の、会員制だった頃の話である。取引所が財政的に楽だったのは、出来高が上がっていたことに加え、今JCCHが受け取っている利息が取引所に入っていたからである。こうした利息収入がなくなり、取引所も今は財政的に火の車と化している。

なぜJCCHを創設したか、一言でいえば海外の大口参加者を呼び込みたかったからだ。アウトハウス型の方が経営的に独立している分与える信頼度も厚くなり、取引所側も出来高が今以上に増えていった場合、現状の規模では清算・担保業務に対応できないと考えたからである。

ところが皮肉にも、JCCH発足後出来高は減少の一途を辿り、商社も去り、現物業者も去り、一般投資家も減少しっ放しの状態である。当然閑古鳥が鳴いている市場に海外の大口ファンドなどくるはずもなく、国内のプロップハウスにさえ見捨てられようとしている。

さらに総合取引所議論が進み、仮に証券など他の金融商品と同一の口座で取引できるようになれば、当然清算機関も統合という流れを辿るだろう。
鶏がいるから卵が生まれるのか、卵があるから鶏が誕生するのか、アウトハウス型の清算機関があるから海外の大口参加者が来て出来高が増えるのか、出来高が多い市場だから海外のファンドなどが参加してアウトハウス型の清算機関が必要となるのか、結局今の商品先物業界は不毛な論議を繰り返しているだけなのかもしれない。

JCCHも震災被災者へ義援金

日本赤十字社通じ200万円

国内商品先物取引の清算機関である日本商品清算機構(JCCH)は28日、東日本大震災の被災者に向け日本赤十字社を通じ義援金を200万円寄付したと発表した。

業界の危機、震災で取組高が大幅減

震災後2週間で取組が40万枚割れに

東日本大震災の発生から2週間が経過したが、国内の商品先物市場から投資資金の引き上げが止まらない状況だ。

震災発生前の3月4日には、52万8221枚と東京工業品取引所が新規の取引システムを導入した2009年5月以降最多の数字を記録した。しかし震災発生後は、一時的に手じまいが増加したことで出来高自体は増えたが、投資資金の引き上げで取組みは日を追って減少し、25日にはとうとう40万枚を割込み39万6432枚となった。これは東工取が新システム導入直後にシステムトラブルを起こして取組みが大幅に減少した09年5月11日の39万4378枚に匹敵する低水準である。

しかも今回の震災では地震や津波に加えて、原発事故による放射能汚染も深刻化し、日本は投資どころではない状況が続いている。いずれ被災地の復興が本格化し人心が前向きに動き始めるだろうが、商品先物市場から一端引き上げた投資資金を再度市場に呼び込むには、かなりの時間がかかりそうだ。

政府も被災地の復興や原発事故の収束を喫緊の課題とし、総合取引所構想などは末端に追いやられるだろう。もちろん今回の国難に対し、すべての労力を復興に向け充てることは当然のことといえるが、現在も青息吐息の商品先物業者にとって、存亡に直結するほどの試練が襲ってきたと言えるだろう。

商品先物業者も被災地に義援金

エース交易と岡地が100万円

東日本大震災の被災者に対し商品先物取引業者のエース交易、岡地が25日、それぞれ100万円の義援金拠出を決めた。

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