2011年01月先 物 新 報

先 物 新 報

商品先物業界の専門紙記者が、業界ニュースを中心に関連情報をお届けします。
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中部大阪取が解散、国内商取3取引所体制に

臨時総会で解散決議可決、名古屋東急ホテルで感謝会

中部大阪商品取引所は31日に臨時総会を開催して取引所の解散について審議し、出席会員数の3分の2以上の賛成多数を受け承認された。

これにより同日付で役員11名全員が退任となり、監事2名については今年5月末の清算業務終了時をもって退任となる。
同日は解散決議の後、名古屋東急ホテルで感謝会が開かれ、関係者が取引所の解散を惜しんだ。

中部大阪取は平成8年に名古屋穀物砂糖取引所、豊橋乾繭取引所、名古屋繊維取引所が合併して発足した中部商品取引所を母体とし、19年には大阪商品取引所とも合併して現在の体制となった。
国内商品先物が最も活況を呈した16年には年間出来高3319万枚と、東京穀物商品取引所の2507万枚を凌いで国内2位の取引シェアを有していたが、その後市場の低迷による流動性低下に歯止めがかからず、22年の年間出来高は72万枚にまで凋落していた。

これにより国内商品先物取引所は、東京工業品取引所、東京穀物商品取引所、関西商品取引所の3取引所体制となるが、関西取は値付け売買のみで市場が機能しておらず、実質在京の2取引所で市場を担う形となる。

最後に中部大阪取の臨時総会資料を下記に抜粋する。

我が国の商品先物取引市場の出来高は年々減少して来ており、当初においてもピーク時の平成16年度に比し、平成21年度は約20分の1となり、全国商品取引所の構成比率も24.6%から5.02%と減少して来た。

当取引所は従前から会員の要望でありました板寄せ仕法の貴金属市場を平成21年10月13日に開設したにもかかわらず、期待するような出来高数値には程遠かった。

また、受託会員数においても平成17年度の56社(許可制移行以後の最高商品取引所員数昭和46年1月現在262社)から、平成22年度は10社と激減する等、すでに食い止めることの出来ない潮流となっている。

このような状況の中で当取引所としては、このままの状況で商品市場を開設して行くことは、取引所としての公正な価格形成機能を果たせなくなるばかりか、会員の資産を保全することが出来なくなるというような状況を鑑み、平成22年6月11日に石油市場37社と貴金属市場20社にアンケートを実施したところ、会員の資産保全を優先して欲しい、貴金属市場の出来高等が好転する見込みは少ない、石油市場は他社への引継ぎを積極的に検討して欲しい(平成22年10月12日東京工業品取引所に中京石油市場として2月限、3月限、4月限開設)との多数の回答結果であったことから、平成22年6月18日開催の理事会で、貴金属市場は平成23年3月限以降の新甫発会を石油市場は平成23年2月限以降の新甫発会を行わないことを決議した。

その後、貴金属市場については平成22年11月25日、石油市場についても平成22年は12月24日のそれぞれの納会をもって全取引を終了し、平成23年1月中に石油市場の受渡しが終了することになった。

よって、取引所の全業務は終了することから平成23年1月31日付けをもって商品先物取引法第69条第2号の規定に基づき解散を決議する。

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総合取法案、今国会提出見送りに

縦割り行政の弊害、3省庁の協議難航

金融庁は27日、総合取引所の創設に向けた関連法案の今国会提出を見送ることを民主党に報告した。

農産物商品を監督する農林水産省、工業品を監督する経済産業省と、規制の一元化についての協議が難航しているため。

総合取引所については昨年3省庁で検討チームを設置し12月に中間整理を取りまとめたが、遅くとも2012年の通常国会には関連法案を提出する意向となっていた。

しかし規制の一元化については中間整理でも意見の集約がなされずにそれぞれの言い分を併記する形をとっており、早期の決着は困難と見られている。商品先物取引を所管する農水・経産両省とも、影響力を弱めまいと必死になって権利を主張している形で、縦割り行政の弊害が露わになった格好だ。

東工取、3月からエラートレードポリシー導入

過誤の注文約定が取り消し可能に

東京工業品取引所は27日、過誤のある売買注文により成立した売買約定の取り消し制度(エラートレードポリシー)を3月1日から導入すると発表した。

これは市場取引参加者等の過誤の売買注文により成立した売買約定を起因として市場が著しく混乱し、東工取市場の信頼性が損なわれるおそれがあるものと東工取が認める場合、売買約定を取り消すことができる制度。

具体的には市場取引参加者等が過誤のあ売買注文により、直近の約定値段から著しく乖離した値段で約定が成立したときは、当該売買約定の成立後5分以内に約定取消しに係る申出を行うことができる。

なお申出の基準となる売買約定の範囲は、原則直近の約定値段からサーキット・ブレーカー(CB)の当初値幅の2倍を超える値段で約定した売買注文で、例えば金のCB幅が100円であったとき、直近の約定値段が3600円であれば、3399円以下、3801円以上の売買約定なら取消しの申出が可能となる。

同制度はネット取引の拡大を背景に市場参加者の誤発注やシステムの機能不全などで、通常想定し得ない価格で売買が成立する可能性が高まっている現状を受け、「こういう状態が顕在化すると市場が混乱し、信頼性が損なわれる事態となる」というリスクを避けるために導入するもので、26日に経済産業大臣の認可を受けた。

コメ試験上場再申請の時期は?

「23年産米に間に合わせたい」と東穀取社長
東工取への農産物市場継承が時間的制約に


農産物市場の継承を東京工業品取引所に正式に要請した東京穀物商品取引所だが、最後の大仕事としてコメ先物の上場申請がある。コメ先物は平成17年12月に東穀取と関西商品取引所が上場申請したが、平成18年3月に農水省が「生産調整に支障をきたす恐れがある」との理由で不認可としている。

あれからおよそ5年が経過し、東穀取は昨年12月に取りまとめたコメ研究会の報告書をベースに2月に設置する予定のプロジェクトチームで最終的な調整に入る意向だ。東穀取の渡辺好明社長は今月18日の記者会見で「平成23年産のコメを対象にできるよう間に合わせたい」との考えを示しているが、それだと遅くても今春には再申請を実行しなければならない。

現在農産物を取り巻く環境は環太平洋連携協定(TPP)の問題もあり非常にナーバスな状態で、これがコメ上場に追い風となるかは今後の成り行き次第だが、ひとつはっきりしているのは東穀取に残された時間は多くないという現実である。

東穀取は今年から農産物上場商品の取引システムを東工取に移管しザラバ方式を導入し、現在農産物市場を東工取に継承する準備を進めている。これも法的な理由で結構な時間を費やす見通しで、その間も東工取へのシステム利用料は発生するため、現在の出来高水準では東穀取の資産は目減りする一方となる。昨年8月に三菱地所に事務所ビルを売却し、33億円とも言われる流動資産を手にした東穀取だが、月間約8000万円(推定)程の赤字が出ているものと思われ、これに今後は高額なシステム利用料と移転先の家賃が発生する。

東穀取の株主は商品先物業者が多く、資産の目減りを最小限に抑え一刻も早い清算を望む気持ちと、先物取引のシンボルであった歴史ある東穀取の消滅を遅らせたいという相反する感情が両立している。

前回の上場申請では、とにかく試験上場をまず認めてもらい、本上場に移行する段階で再度関係者を交え綿密に検討するという条件を内々で提示したようだが、これも蹴られた格好となった。
今回も関係者への根回しが何らかの形で行われるだろうが、上場認可の壁を打ち破れるか、経営陣の手腕が問われる。

《速報》日本商品先物振興協会の記者会見

理事会で今後の取組課題まとめる

日本商品先物振興協会は20日の理事会で、協会としての今後の取組み課題をまとめた。

それによると、今後は
・新制度の定着状況等に係る検証
・「総合的な取引所」のあり方についての検討
・金融所得課税一体化の実現
・市場参加者の増大に向けた取組み
の4点について協会として注力していく方針。

新制度の定着状況については、今年から完全施行された商品先物取引法によるスパン証拠金や損失限定取引などの新制度について、協会会員各社における対応状況や運用実態を2月から調査し、市場を適切に機能させるための改善案を打ち出す。

総合取についての検討では、昨年12月にまとめられた中間整理を踏まえ、機能面を中心に市場参加者の観点から検討し、必要に応じて提言を行う。これに加え、平成26年5月に取引システムの更新時期を迎える東京工業品取引所商品市場のあり方についても検討し、提言も行う。

金融所得課税一体化については、平成23年度税制改正大綱で上場株式の譲渡益に対する優遇税制(申告分離課税の税率10%)が平成25年末まで延長することになった事態を踏まえ、今年提出する平成24年度税制要望においては税率の異なる金融商品間での損益通算を可能とする金融所得課税の一体化の早期実現を要望する。
また財務省が求めている「総合口座」の導入についても、実務的な対応を含め検討する。

市場参加者の獲得に向けては、引き続き投資家セミナーを開催するほか、商品先物取引仲介業への参入を検討している業者に対する接触を図り、必要な情報を提供していく。このため協会ホームページに参入希望者向けのコーナーを作り、2月にも立ち上げる見通し。

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