2010年08月先 物 新 報

先 物 新 報

商品先物業界の専門紙記者が、業界ニュースを中心に関連情報をお届けします。
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最後の商社系取引員、業界を去る

三菱商事フューチャーズが受託業務撤退を表明

三菱商事フューチャーズは31日、商品先物取引のオンライン部門を事業譲渡すると発表した。
譲渡先はドットコモディティで、主務省の認可を前提に10月29日に実施する。

三菱商事フューチャーズは今年の3月末時点で委託者数1994名、預かり証拠金は247億円で取引員トップとなったが、最終損益は20億円とワーストを記録した。

三菱商事が個人の注文を集める受託業務に進出したのは1989年(平成元年)6月のことである。当初は既存取引員と業務提携をする形で参入した。理由は商品先物取引の営業が「商社のノウハウでは対応しきれなかった」(市場関係者)と言われたほど特殊だったからである。当時は主務省である通産省(現・経産省)も「市場の発展に繋がる」として積極的に商社の参入を奨励していた。ちなみに同年5月には、三井物産の完全子会社で初の商社系取引員となった三井物産フューチャーズも受託業務を開始している。

こうした大手商社の参入には、金の上場が大きな要因となった。金は1982年(昭和57年)3月、東京金取引所(現・東京工業品取引所)に上場された。市場発足当初は40社が通産省から金取引員として許可されたが、このうち2割にあたる8社が商社で、三井物産、伊藤忠商事、日商岩井、丸紅、日綿実業、トーメン、兼松江商、金商又一が商社メンバーであった。

三菱の場合、全額出資で受託業務専門の取引員「エム・シー・エフ・エフ」を立ち上げたのが1991年(平成3年)8月で、翌年1月に社名を「三菱商事フューチャーズ」に変更している。社名変更の際、「三菱商事」のブランドを商品先物に使っていいのかどうか、本体の役員会で議題になったほどである。内部で働く人間にとって「三菱商事」のブランドは特別な意味を持っているといえるが、そうした感情を押しのけるほど当時の商品先物業界はビジネス的にうまみがあったのである。

しかし2004年(平成16年)の商品取引所法改正で、取引員に再勧誘の禁止と適合性原則が導入され、これをきっかけに一般個人の新規加入が抑えられたことで出来高は下降線の一途を辿った。これにより市場の活気が失われ、商社も次々と市場から撤退していったのである。
今回最後に残った三菱商事フューチャーズの撤退で、過去に業界の社会的認知を向上させた商社系取引員はすべて姿を消すことになる。

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関西商品取引所の現状と未来

財政的に最も安定、最後まで生き残ろとの声も

中部大阪商品取引所の解散後、国内の商品先物取引所は東京工業品取引所、東京穀物商品取引所、関西商品取引所の3取引所体制となる。現在関西取の出来高は取引員による値付け売買のみで、はっきり言えば取引所としての機能を果たしてはいない。だが不動産収入で職員の給与をはじめ運営費をまかなっており、実は財政部分だけみれば最も安定している。

これに対し在京の2取引所を見るとどちらも赤字で、東工取は昨年5月に導入した新取引システムの費用負担が重くのしかかり、東穀取は極度の出来高不振に喘いでいる。昨年来職員に希望退職を募ったり、資産を売却したりと生き残りに必死である。

商品先物取引の振興団体である日本商品先物振興協会は、今年に入り東穀取に対して東工取への農産物市場譲渡、関西取に対しても解散を求める提案書を提出したが、業界内には商品先物取引を広く啓蒙する本来の目的を忘れて単なる圧力団体に成り下がっているという批判の声も聞かれる。

在京の2取引所は首脳陣がすべて天下りで占められ、一時よりかなり減ったとはいえ、まだ十分高給といえる金額を取っているのに対し、関西取の理事長は商品先物会社の会長を兼任しており、理事長をはじめ首脳陣では無給のボランティアが多い。

ある関西取関係者は「我々のことを不動産取引所と揶揄する声があちこちで聞かれるが、現在のような状況に備え先人が収益モデルを作ったものであり、何ら非難される筋合いはない」と語る。一時噂になった東穀取との合併についても、「なぜ黒字会社(関西取)が赤字会社(東穀取)に吸収されなければいけないのか」とまったく取り合わない。

いずれにしても、取引所機能を全く果たしていない関西取ではあるが、最近「最後まで生き残るのは関西取ではないか」との声が業界内で囁かれている。

外為白書(09年度)が本日発売に

外為どっとコム総研編集、国内初の為替白書

外為どっとコム総合研究所は26日、2009年度外為白書を発売した。
同白書はFXにおける情報の蓄積及び保蔵を目的に刊行したもので、一般投資家には相場の潮流変化を読むための大局観や歴史観の養成に有用であるとしている。

内容は主要通貨ペアの毎月の価格変動とその背景についての記録の他、業界の各年度における推移、顧客調査に基づくアンケート集計結果など、総合的に掲載されている。

首席研究理事の竹中平蔵氏は「日本には経済財政白書や通商白書など沢山の白書が出されているが、外為白書が発行されたことはなく重要な資料性を持つ」と述べている。

定価は8000円で、一般の書店では販売していない。詳細は下記サイトへ。
http://www.gaitamesk.com/research/hakusyo.html

上場6社の第1四半期決算、 5社が増収・3社が黒字に

受廃業者の顧客移管等で大手の出来高増える

商品取引員の株式公開6社の第1四半期決算が出揃った。出来高合計は前年同期比で小幅な減少となったが、昨年来取引員の受託業務廃止の流れが後を絶たず、顧客の移管等で規模の大きい社が出来高が増やして一時的な増収になったケースもあり、数字だけを見て底を打ったとは到底言えない状況である。

国内商品先物市場の第1四半期出来高合計は、835万7749枚で前年同期比2.5%減と落込んだ。しかし上場各社については、証券業収益の不振で減収となったユニコムグループホールディングスの他は出来高増等により増収となった。

第一商品は金を主軸にしたサービスで新規顧客が増加し大幅な増収となった。エース交易も商品先物取引の委託売買高が前年同期比13.8%増の32万8000枚、手数料収入も同26.8%増の9億3600万円と大幅に増加した。フジトミは受託業務から撤退した親会社・小林洋行からの顧客を移管したことで増収となったが、自己売買は上場6社で唯一のマイナスとなった。岡藤HDは今期赤字となったが、中核の岡藤商事が手数料収入増で4400万円の黒字になる等上向きに推移している。

なお今期の業績予想については3社が公表しており、通期の最終利益においては第一商品が9億9000万円の利益、岡藤HDが1億900万円の利益、フジトミが600万円の利益と、いずれも黒字を予想している。


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弁護士のむやみな増加は先物業者をつぶす

報酬目的の弁護士に役所の無理解、業者の悲鳴が止まず

20日付の日本経済新聞朝刊に、司法修習の給費制度についての記事があった。同制度は司法試験合格者が司法修習期間中に国から給与を受けるというものだが、今年の10月末を以って廃止される。同制度の目的は1年間の修習期間を勉強に専念させるためであり、修習生にアルバイトを禁止する代わりに国が毎月約20万円の給与を支給する形をとっている。法曹資格は個人のもので必要経費は本人が負担すべきという考えに基づいて廃止されることになるが、制度廃止後は基本月額23万円を無利子で貸与する仕組みに切り替わる。

この制度自体について筆者は門外漢なのでとやかく言うつもりはないが、気になるのは現在の修習生1235人に対するアンケート結果の方で、6月時点で就職先が決まっていない修習生が43%にも達するという事実である。司法制度改革により年間3000人の司法試験合格が政府目標となっているが、近年法曹人口の増加により就職先の未定率もじわじわと上がっているようだ。経済的な不安から、アンケートの回答でも「刑事事件や家庭事件よりも報酬の多い分野を優先せざるを得なくなる」という声が多々上がったようだが、彼らの言う「報酬の多い分野」の筆頭格が、当商品先物業界である。金貸しと先物は弁護士にとって有利に持っていける確率が高く、報酬もいいので喜んで引き受けるという。金融業者に対する過払い請求などは一通り出尽くした観もあり、今では先物取引が最大のお得意様といえるかも知れない。

これがまっとうな弁護であれば何ら問題はないが、ちょっと首を傾げたくなるようなやり方で報酬を荒稼ぎする弁護士もいると聞く。商品先物会社には顧客と接する営業マンがいるが、何かの都合で辞めたり会社を変わるケースも多い。そうした中に時折不心得者がおり、自分の顧客名簿を持ち出すのである。自分の顧客であるから誰がどのくらい損をしたか大体はわかっており、そうした情報が報酬目的の弁護士にいってしまうと先物会社にとって厄介なことになる。

まずこういう弁護士は多額の損を出した顧客に電話をかけ、取り返せるかも知れないと持ちかける。客側ももともとあきらめていた金が戻ってくると言われてにわかに活気付くが、半分でも取り返せたらいいと謙虚な姿勢で臨む場合が多いようだ。客側が謙虚になるほど自身の報酬は増えるからやる気も増す。こうして重箱の隅を突くように先物会社の不備を探し、もしくは強引に上げて強気に攻め立ててくる。

かつて見られたように証拠金の追加入金を執拗に迫るなど、あきらかに先物会社側に非がある場合は別だが、そうではない通常の負け分についても同じように返せと言われたのでは、先物会社もたまったものではない。だが相手は法の番人であり、金を取るまで攻撃は止めない。先物会社が最も恐れるのが、役所からの行政処分である。商品先物取引を管轄するのは農林水産省と経済産業省だが、弁護士を挟んだトラブルとなれば役所は大抵弁護士側(委託者)の意見を事実としてみる。こうした案件が積みあがっていくと役所からの検査が入り、先物会社側の言い分などほとんど考慮されずいきなり行政処分となるのである。法律を操ったり許可権限を持つ者が悪意や無理解で事を運んでいくことの恐ろしさを、如実にあらわした例と言える。

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