2010年04月02日先 物 新 報

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東証と東工取が排出量取引所設立の準備会社を設立

東京証券取引所グループ(東証G)と東京工業品取引所(東工取)は1日、環境保全を考慮しあらかじめ定められた二酸化炭素の排出量を売買する排出量取引の設立を目的とした準備会社を設立した。
これは昨年10月29日に両取引所が締結した基本合意書に基づくもので、商号は「排出量取引所設立準備株式会社」、所在地は東京都中央区、資本金1000万円、株主構成は東証Gが50株(50%)、東工取が50株(50%)となっている。

今後、排出量取引に関する国内外の政策動向等を踏まえ検討を進めるが、排出量取引は地球温暖化の観点から、全世界的な取組みとして今後も拡大が見込まれている。両取引所は排出量取引市場創設について、「長年両取引所が培ってきた効率的な市場作りのノウハウや参加者基盤等を活かすことが社会的な責任」との考えを示している。実際にリーマンショック以降、相対決済に伴うリスクを回避するため取引所取引が見直されているという追い風の状況もある。

両取引所は取引所取引の優位性として、市場開設により売買が活発化する高い流動性と透明性、公的機関の強みである決済の安定性と信頼性をあげており、「取引所取引の重要性が再認識されている」との見解を示している。また清算機関についても「共通のクリアリング機関があれば市場参加者の利便性は高まる」と将来的な構想も覗かせている。

現在排出量取引は、削減目標に応じて排出量に上限を設けるキャップアンドトレード方式が一般的となっている。上限の設定方法は、まず国ごとに全体排出量を設定した上で産業や企業に割り振っていくものと、まず企業や産業単位で排出枠を定めそれに応じて国の総量を決める方法がある。

今後は産業界への根回しも含め、現状の制度に沿ってニーズをうまく活かした市場作りを目指すことになる。排出量市場について制度設計が完成し、取引できる状態になる時期は「そんなにすぐにはできないだろう」と長期的な視点でとらえている。他国の排出枠の取扱いについても、将来的な視野には入れているが「エネルギーとのリンクがないと難しい」と見ている。

日本においては、鳩山由紀夫首相が2020年までに日本の温暖化ガス排出量を1990年比で25%削減する方針を打ち出しているが、産業界からは負担が重すぎるとして反発も強い。排出量取引市場はこうした政府の意向や産業界との摩擦を調整しながら創設を目指さなければならないなど多くのハードルがあることから、相当な難航が予想される。

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