2010年04月先 物 新 報

先 物 新 報

商品先物業界の専門紙記者が、業界ニュースを中心に関連情報をお届けします。
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《速報》金融取のCFDが9月にも取引開始

東京金融取引所(金融取)は28日、今秋から取引を開始する株価指数連動CFDの詳細を発表した。
名称は「日経225証拠金取引」で愛称は「くりっく株365」。呼値は当初考えていた5円から1円に変更した。
取引開始時期は、9月か遅くても10月中となる。

同時に海外株価指数に連動したCFDも始める予定だが、ライセンス契約などの問題がありずれ込む可能性もある。
当初の取扱会社は5社程度、取引量は予算上1日1000枚程度を見込んでいる。
詳細は以下の表を参照。

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戦後の取引所変遷史~第1章

商品取引所と証券取引所の逆転

昭和20年8月、日本はポツダム宣言を受諾し翌9月には降伏文書に調印した。
今回から取引所変遷史として、戦後に焦点を当て商品取引所の歴史を紹介する。

まず、日本の取引所については江戸時代から明治時代まで、常に商品取引所が証券取引所より先行してきた。ところが戦時統制の影響で、昭和の時代に立場が逆転したのである。その理由は米穀商品取引所の閉鎖にあった。戦中の14年4月に、米穀配給統制が発布され、全国に19カ所あった米穀取引所と21カ所の正米市場は閉鎖され、国策会社である「日本米穀株式会社」に統合された。

その後コメの統制は現在に至るまで継続しており、米穀取引所は以後存在していない。またその他の商品取引所も、昭和12年の日中戦争勃発以後、戦時統制によってあらゆる物資の生産・配給・価格が国家に統制強化され、次々に閉鎖されていった。商品取引所が、戦後に証券取引所の後塵を拝したのはこうした背景がある。

一方証券市場は、戦時中にぷっつり途絶えた商品先物市場と逆に、形を変えながら戦時中も維持されてきた。
経過をたどると、
15年8月に東株取引員組合が中心となり、株価の安定工作を目的に資本金2000万円で「日本証券投資株式会社」を設立

16年3月には政府により資本金5000万円で「日本協同証券株式会社」が設立される。これは日本興業銀行を中心とする株価維持のための国家的機関で、「日本証券株式会社」という名称のもとに準備が進められたもので、狙いは生産力拡充のための資金調達であり、銀行・信託会社・生保会社・取引所と取引員組合が株式を引き受けた

17年3月には「戦時金融金庫」を政府が設立し、「日本協同証券株式会社」に吸収して有価証券の市場安定に努めた

18年7月には特殊法人「日本証券取引所」を資本金2億円(政府出資5000万円)で発足した

この後20年8月9日のポツダム宣言受諾により全国いっせいに休場となるが、23年4月に占領軍司令部の示唆に従い「証券取引所法」を起案し、国会通過後4月13日に公布されたのである。

(引用・参考文献)日本経済を創る人々(経済ルック出版)

相場の難しさは悪か?

商品先物取引は難しいと言われる。それは確かにそのとおりである。
各商品ごとに需給状況も違えば、季節要因、相場の変動要因も違う。

「すべてを理解してから」取引を始めるという姿勢なら、多分いつまで経ってもスタートできないと思う。
「やりながら覚える」というスタイルが、おそらく上達への近道だと考える。

ここ数年の法規制の縛りは、「個人の参加者に損をさせない」という一点だけに沿った内容となっており、個人参加者の入り口に過剰とも思える規制を敷いた。
例えば、無職の人、年収500万円以下の人、75歳以上の人が商品先物取引を始める場合、「自分は商品先物取引の参加条件に不適格であることは承知しているが、自己責任でやるから口座を開設したい」という趣旨の文を自筆でしたためなければならない。

FXにはこうした規制はなく「やりたい人はどうぞ」というスタンスで容認してきたため、200万人近くもの参加者を擁する巨大市場となったのである。一方商品先物取引はわずか8万人に過ぎない。
証券やFXの管轄は金融庁で、商品先物取引は農林水産省と経済産業省とそれぞれ分かれているため、日本は金融商品の規制に一貫性がない。これも弊害が大きいと思う。

いずれにしても、管轄する側の役人が相場についてまったく理解していないことが日本市場の低迷を招いていることは間違いない。理解していないことについては、普段相場に接していないため仕方がないが、問題はその考え方である。
要は「自分達のような(頭のいい)人間が理解できないのだから、一般大衆は理解できるはずがない。だから参加させてはいけない」という高飛車目線で行政にあたることが、市場の力を著しく減退させているわけである。
本人達は自覚していないかもしれないが、そうした意識は確実に蔓延っている。

大切なのは、理解度ではなく楽しみ方である。競馬にしても、名前が気に入ったというだけの理由で馬券を買う初心者から、過去のレース結果や血筋まで考慮して予想する上級者もいる。だが、レースではみんな同じように楽しんでいる。上級者にしても始めからすべてを理解して予想しているはずはない。初心者から少しずつレベルを上げていった結果である。

物事はやっているうちに必ず理解は深まっていくが、おそらく現在行政側に相場経験のある人間は皆無のはずである。
実情を知らない人間が行政に携わると、その業界は減退するという代表例といえる。

商品先物、FX、CFD業界比較

日本商品先物振興協会(先物協会)は22日、国内の商品先物取引、証券CFD、FX店頭取引型(客と業者による相対取引で、一般的なFX)、FX取引所型(東京金融取引所(金融取)が開設する取引所取引「くりっく365」)について、それぞれ業者数、預り資産(業界の繁栄ぶりを表す)、口座数(=顧客数)をまとめた。詳細は以下のとおり。

【商品先物】
・業者数 =37社(10年3月31日、先物協会調べ)
・預り資産=1680億円(10年3月31日、日本商品清算機構調べ)
・口座数 =8万4270人(09年12月31日、先物協会調べ)

【証券CFD】
・業者数 =18社(09年12月、証券業協会調べ)
・預り資産=74億円(同)
・口座数 =4万2745人(同)

【FX店頭取引型】
・業者数 =91社(09年10~12月に取引実績のあった社、金先協会調べ)
・預り資産=5950億円(09年3月、矢野経済研究所調べ)
・口座数 =192万1829人(同)

【FX取引所取引型】
・業者数 =18社(10年4月、金融取サイトより)
・預り資産=1460億円(10年3月31日、金融取サイトより)
・口座数 =21万2122人(同)

商品先物取引の過去と現状の問題点(4)

商品先物取引は農林水産省と経済産業省の両省で管轄している。

東京穀物商品取引所を中心に上場されている、コーンや大豆など農産品は農林水産省、一方東京工業品取引所を中心とした金や原油などの工業品については、経済産業省の管轄となっている。

その経済産業省が今年2月に、「2010年にグローバルな工業品先物市場を実現する10のアクション」というレポートを公表した。それによると中長期的に「アジア経済の成長を支えるプラットフォーム」とする市場を目指すとして、そのための活性化策を列挙したものである。だがこれを読んだ業界人は、誰一人として実現を信じてはいないだろう。はっきり言って「おとぎ話」に近い。

前回紹介した平成17年の施策により、それ以降の直近5年間で、商品先物市場の取引量は約3分の1に落ち込み、業者も手数料収入などの売り上げが減ってしまい、この1~2年でバタバタと廃業している。今残っている商品先物取引業者は、40社に満たない。ほんの5~6年前には100社を超えていたことを考えると、相当な速さで業界が縮小している。

もっとも廃業した会社には、営業姿勢のかなり悪かったところも多々あったので、ある意味では行政の対応は成功したともいえるが、とにかくあまりに引き締めが急激過ぎた。

話を戻すと、10のアクションでは今後取り組むべき課題として
(1)証券市場などと商品市場の連携強化
(2)参加者の拡大
(3)アクセス(=取引所の取引システム)の改善による参入促進
(4)投資家のリスク管理に応える行政と商品取引員ビジネス
(5)商品取引の清算機関の機能強化
を柱とし、この下に具体的な項目が並んでいる。

いずれも使い古された言葉を集めたもので、目新しいものは何もない。
要するに、取引所のルールやシステムを海外のファンドなど大手投機家がやりやすいように変えていけば、どんどん市場参加者が増えて、市場が賑わいを取り戻すという行政側の考えを改めて示したものに過ぎない。

しかし残念ながらこの図式は成り立たない。
海外から大量の注文が入れば確かに市場は賑わうだろうが、そもそもモノの値段は一部の人間が決めるものではなく、大勢の人間による見方が反映されていなければ、とても公正な値段とはいえない。
それに、海外のファンドは勝てない勝負は絶対にしない。言い換えれば、プロ同士の喧嘩はしないのである。

では勝てる勝負とは何か?
結論を言えば、素人である一般個人の注文である。日本の商品先物市場は業者に対する厳しい勧誘規制が影響し、どんどん一般個人の参加者数が減少している。一部どんなに制度が変わっても注文を出し続ける個人の相場好きがいるにはいるが、全体の割合を考えれば微々たるものである。

海外のファンドにとって、一般個人の注文が減るということは自分達の利益が減ることと同義なわけで、その分魅力も欠けてくる。それに海外ルールにすべて合わせてしまうことは、日本市場の存在感を打ち消す行為でもある。同じルールなら、取引所は1つあれば事足りるからだ。

とにかく今は、一般個人の参加者を増やさなければならない。個人の注文といっても、すべてがハゲタカに食われるわけではない。立派に収益をあげている参加者もたくさんいる。
まずは商品先物取引の面白さを広く伝え、1人でも多くの参加者を集めることに注力すべきである。

だが、役所は業者の勧誘規制を緩めると、またトラブルが多発した時代に逆戻りするのではないかと懸念している。
このためさらに規制を強化しようという流れが出来上がっており、商品先物市場の縮小は進む一方なのである。

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