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電力先物、委員会設置し広報戦略強化

東商取、細かい事業者ニーズにも対応目指す

東京商品取引所は9月28日、報道陣に向け電力市場創設に向けた取り組みについて説明会を開催した。市場構造研究所の山岡博士部長が現状における日本の電力環境を背景に、法改正に係る構造変化や海外の先行事例などを盛り込んで東商取の目指す電力先物市場の方向性を説明した。

具体的な上場時期は未定としながらも、7月に経産省が公表した電力先物市場協議会報告書に沿った形で創設に向け、委員会などを立ち上げ広報戦略を強化する方針だ。また傘下に据えるジャパンOTCエクスチェンジ(JOE)などで、事業者からの細かいニーズに対応可能となるよう幅広い調整に臨む。

日本卸電力取引所(JEPX)の市場規模は現在国内電力需要の1%に過ぎないが、それでも資源エネ庁の試算によれば、電力先物が創設された場合の市場規模は4,635億円~1兆2,360億円と見ており、1日における価格変動の99%をカバーする額を約定総代金の5%とすると、電力先物市場全体の証拠金残高は232億円~618億円と想定している。


日本で電力先物が実現性を伴う形で注目されたのは2014年(平成26)4月11日に閣議決定されたエネルギー基本計画における電力システム改革に端を発している。2カ月後の6月24日には、日本再興戦略の改訂版として「エネルギー先物市場の整備等の取組を、着実かつ早急に進める」ことが閣議決定された。

電力については2016年(同28)4月を目途に小売全面自由化が実施される見通しだが、海外の先行事例では小売全面自由化に合わせて電力先物市場を創設するケースがほとんどだ。

もともと電力自由化は欧州連合(EU)での域内エネルギー市場構想を発端に、2000年初頭までに規制を撤廃する動きが進んだ。ドイツでは98年に小売全面自由化が実現し、00年にスポット取引所、03年に先物取引所を創設した。イギリスでも1999年に小売全面自由化後、01年にスポット取引所、04年に先物取引所が創設されている。米国(ペンシルバニア州)では小売全面自由化が00年だが、スポット取引所は2年遡る1998年、先物取引所は翌99年と小売自由化が後にきた逆のケースとなる。

日本でもこうした潮流に合わせて00年以降徐々に規制が緩和される動きが起こり、スポット市場を持つJPEXには100社以上の会員登録がある。ただスポット市場で売買される量は消費量に比べて少なく、13年度は約102億㌗時と販売電力量の僅か1.2%に過ぎない。これが北欧だと85.7%、イギリスで50.7%、ドイツが50.1%、フランスが11.9%となっている。

こうした中で経産省が今年3月から全5回にわたり実施した電力先物市場協議会は、①卸電力市場の市場構造や取引状況などの実態、②電力価格のヘッジ事例及び課題、電力先物の海外の事例、③先物市場創設に向けた検討項目(指標価格、現物取引所との連携など)、④望まれる電力先物取引の枠組み(具体的な取引要綱)、⑤マネーゲームの防止策―を主な検討項目に据え議論を重ねてきた。

東商取が最終的に目指しているのは電力を含む総合エネルギー先物市場の実現で、液化天然ガス(LNG)や石炭も有力な上場候補商品だ。だがいずれの商品もスポット市場OTC市場が十分に盛り上がっている状態でないと、先物市場の活性化には繋がりにくい。このためJOEのマッチング機能、日本商品清算機構(JCCH)のクリアリング機能でエネルギーOTC市場を整備し、先物市場との相互補完関係を強化することが中長期的な東商取の事業戦略だ。従ってまずは電力先物市場の実現を目指し、委員会などを立ち上げて産業インフラとして周知徹底を図る方針だ。

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堂島取、東西米穀分科会を一本化

旧東京分科会残し、大阪分科会を解散へ

大阪堂島商品取引所は9月18日の理事会で、旧農産物取引運営委員会米穀部会東京分科会及び旧同大阪分科会を統合し、新たな諮問委員会として「米穀取引運営委員会」の設置を承認した。

東京穀物商品取引所の解散に伴い2013年2月にコメ先物を引き継ぎ、東京コメ・大阪コメの2本立てとし運営を続けてきた。引き継ぎの際、市場運営を担う米穀部会についても東西で分割し、これまで別個に委員会を開催してきた。だが委員会はほぼ東京開催で、今回運営の効率化を目的に、米穀部会の一本化を図った。

なお新たな委員会は、旧東京分科会の流れを引き継ぐことで、事実上大阪分科会の解散となる。メンバーは以下のとおり。

米穀取引運営委員会
◇委員長 茅野信行(國學院大経済学部教授)
◇委員 伊藤元久(前日本穀物検定協会理事長、学識経験者)、井上成也(岡地常務)、浦栃健(豊商事取締役ディーリング部長)、木之下悟(前全国主食集荷協同組合連合会常務理事、学識経験者)、木村了(全国米穀販売事業共済協同組合理事長)、佐藤正志(新潟ゆうき代表取締役)、茂野隆一(筑波大大学院生命農学研究科教授)、高木賢(中島肇法律事務所弁護士)、長谷部喜通(日本米穀小売商業組合連合会理事長)、藤尾益也(全国米穀販売事業共済協同組合副理事長)、三橋美幸(神奈川県主食卸商組合長)、渡辺好明(全国農地保有合理化協会長)

JPX、2代目アローヘッドを9月24日に稼働

5年ぶり刷新の現物売買システム、清田CEO「日本株魅力向上の柱」

日本取引所グループ(JPX)は9月24日、現物の売買システム「アローヘッド(arrowhead)」を刷新した。これを受け翌25日の定例会見で清田瞭取締役兼代表執行役グループCEOは「日本株の魅力向上の柱」とシステムの重要性を強調した。

続けて現物・デリバティブ・清算の各システムに関し「東西統合を乗り越えて、これまで新生JPXとして取り組んできた第一歩が示せた」と評価した。

初代アローヘッドは2010年1月に稼働し、今回は5年ぶりの刷新となる。2代目アローヘッドは富士通の開発ソフトにより、すべての注文データをサーバーのメモリーで高速処理する手法を継承している。これにより1日に処理可能な注文件数は2億7,000万件と旧システムの約2倍となった。また注文応答にかかる時間は、500マイクロ(マイクロ=100万分の1)秒未満と旧システムの半分に減らした。

東商取決算・JCCH連結で2期ぶり黒字、単体では7期連続赤字

営業収益減少もJCCH金利収入等でカバー

東京商品取引所と日本商品清算機構(JCCH)は5月29日、2015年(平成27)3月期の決算概要を公表した。

東商取とJCCHの連結決算を見ると、営業収益は27億2,800万円(前年同期比4.4%減)、営業利益は▼9億5,800万円(▼はマイナス、前期▼13億5,700万円)、経常利益は1億3,100万円(同▼8億7,600万円)、当期純利益は4,100万円(同▼9億1,200万円)と2期ぶりで黒字に転じた。

これは営業費用がシステム費用の減価償却などで36億8,700万円(前年同期比12.4%減)と減少したことに加え、JCCHの利息収入10億700万円など営業外収益が10億9,200万円(同125.6%増)と倍増したことで最終利益がプラスになった。これにより東商取の総資産は1,116億6,700万円、純資産は95億1,200万円、自己資本比率は8.5%となった。

一方、東商取単体では、営業収益は24億9.800万円(同4.4%減)、営業利益は▼6億9,000万円(前期▼10億5,600万円)、経常利益は▼6億1,600万円(同▼9億6,700万円)、当期純利益は▼4億4,000万円(同▼9億4,000万円)と7期連続の赤字となった。

またJCCH単体の決算は、税引前純利益が7億1,400万円、当期純利益が4億6,000万円となった。

なお、東商取はJCCHに対し配当5億円を議案に盛り込むよう株主提案した。日本取引所グループの次期システム共用に際し、移行に伴う違約金などへの対策で、JCCHの過去の蓄積を削るものではないとしている。

【コラム】規制緩和という茶番

商品先物取引の新たな勧誘規制が1日施行された。現在の市場低迷に至る源流を辿ると、水源は2005年5月に施行された改正商品取引所法と言えるだろう。

適合性原則など勧誘規制のハードルが一気に上がったことに加え、同年1月に委託手数料の自由化が導入され業者間で引き下げ競争が始まった直後だったこともあり、一連の制度改正が商先業者の経営環境に与えた影響は甚大だった。

以後、業者の廃業が続き、商先市場の出来高も下降線を辿り続けた。

改正法施行から遡ること2年、国内商先市場の最盛期となった2003年の年間出来高は1億5,400万枚を超え、業界はまさに「我が世の春」を謳歌していた。それから僅か11年、2014年は年間2,200万枚、干支が1周する前に市場規模が7分の1の水準にまで落ち込んでしまった。

廃業ラッシュの過程では悪名高い一部の業者も暖簾を畳んだ。そういう意味では主務省の強攻策は確かに功を奏した。だがこれ以上の締め付けは市場機能の停止に直結する。

現在の商先業者の現状を格闘技で例えれば、規制の関節技で締め上げられ、とっくに「参った」の状態。そんな折、今回の“緩和”によって頚椎を締める手が一応緩んで呼吸は多少しやすくなったが、胴締めは継続し結局動けない状態に変わりはない。何より裁く主審が消費者委員会という、戦勝国主導の軍事裁判みたいな茶番はもはや漫才だ。

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